秋元通信

【秋元通信】 東北からの帰り荷がない!

  • 2014.12.11

こんにちは。
もう師走ですね。例年以上に寒波到来が早いように感じる12月上旬でしたが、実は長期予報では全国的に暖冬と予測されています。
物流業界にいるわたくしどもとしては、寒暖よりも物流網に影響を及ぼす、昨年のような大雪が降らないことをお願いしたいところです。
今回のメイン記事は、「東北からの帰り荷がない!」をお届けいたします。


■ 今号のメニュー ■
1.東北からの帰り荷がない!
2.運送関連ニュース
3.冬の危険! ヒートショックの話




■ 東北からの帰り荷がない! ..。..。..。..。..。..。..。

「マイナス668万トン」

これはなんの数字でしょうか?
正解は、「関東と東北を行き来する荷物流動量の収支」です。関東と東北の間の荷物の行き来は、「東北から関東行きの荷物」よりも「関東から東北行きの荷物」の方が、668万トン多いことを示しています。

東日本大震災以降、東北行きの荷物はあるが、東北からの帰り荷がないという声が聞かれるようになりました。

参考:東北の物流 東日本大震災から3年、現状を追う (物流ウィークリー)
http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-9729.php

本件、「秋元通信」なりに考察してみたいと思います。

「帰り荷がないから、長距離の採算が合わない」
これは東北行きの荷物にかぎらず、関東から西に走るクルマでもよく聞かれる言葉。
国土交通省では、定期的に地域ごとの貨物流動調査を発表しています。最新の調査は今年行われるため、2年前平成24年の調査結果を元に、地域別の荷物流動量をまとめてみました。なお、本記事は2年前の統計データをもとに考察しているため、現在の状況とは異なる点があること、そして実際の状況や、実感、肌感覚とは異なるケースがあることを、あらかじめご留意ください。

◇地域別 荷物流動量データ
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1wcPRAXgnyaOhnSOYwisxPpWRXgDsKdujB1yaZ5tvIQo/edit?usp=sharing

詳しい情報は上記リンク先の表をご覧ください。
ざっと考察をすると、以下のようになります。

考察1:全体
もっとも荷物入出バランスが悪いのは、中国/近畿間。中国から近畿への荷物が2000万トン近い荷物過剰となっている。
次に、近畿から中部への荷物過剰、四国および九州から関東への荷物過剰が続く。

考察2:東北
東北に関しては、全地域からの荷物が過剰である。つまり、運びこまれる荷物が大幅に多く、運びだされる荷物が少ないことを表す。

考察3:近畿
東への荷物は過剰だが、西への荷物は不足している。

考察4:中部
東北への荷物は過剰だが、それ以外はすべて不足、つまり入荷超過の状態。

考察5:関東
北海道、東北、中部への荷物が過剰。一方、近畿への荷物は不足している。


関東の運送会社における、帰り荷事情を本データから考えると、以下のようになります。

北海道:
帰り荷は難しい。しかし荷物量そのものがそれほど多くない。

中部、近畿:
中部単体で考えると大幅な荷物過剰だが、近畿と組み合わせて考えるとバランスがとれている。つまり、中部で帰り荷を取ることは難しいが、近畿で帰り荷を取ることは可能。

中国、四国:
行きの荷物が不足、帰り荷が豊富な状態。ただし、中部、近畿まで行くと、荷物のアンバランスは大幅に解消される。つまり、自社で全線走るよりも、中部や近畿の協力会社に中継をお願いする方が良いと考えられる。

九州:
行きの荷物が不足、帰り荷が豊富な状態。ただし、近畿まで行くと、荷物のアンバランスは大幅に解消される。これも、近畿の協力会社に中継をお願いする方がいいと考えられる。


関東から東北の帰り荷事情を考えた時、気がつくのは、関東から東北へ出荷される荷物量の多さと、東北行き荷物の半数以上が、関東出荷に集中している状況です。また、西行きの荷物と違って、他地域の荷物と組み合わせることが難しい地理事情も、東北からの帰り荷事情を悪化させていると考えられます。
一方、データ上だけを鑑みれば、中国地方以西の荷物事情も決して芳しくはありません。しかし、東北行き荷物ほどの不満は聞こえていないように思います。
これは、東日本最震災以降、突然状況の変わった東北と違い、何年も前から継続している中国地方以西の荷物事情に対する対策として、東西運送会社間のパートナーシップが成立し、各社工夫をこらしている、またその工夫が功を奏していることに所以するのではないでしょうか。

逆に言えば、そのようなパートナーシップと工夫があれば、「東北からの帰り荷がない!」という課題も解消できるものと考えられます。

弊社秋元運輸倉庫では、「まごころ便」に代表される運送ネットワークの構築に力を尽くしております。
東北はもちろん、中国、四国、九州の運送会社様、倉庫会社様で、弊社との運送ネットワーク、荷物情報や倉庫情報の情報共有にご興味ご関心のある方は、ぜひ弊社までご一報をいただければ幸いです。

よろしくお願い申し上げます。


※「まごころ便」に関する過去の秋元通信記事も合わせてご一読いただければ幸いです。
https://docs.google.com/document/d/1R4JCNfQVEmcRty5FOUnKSaANga8J8kW5-j92lAXAPNg/edit?usp=sharing



■ 運送関連ニュース ..。..。..。..。..。..。..。
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◇運送事業者の尽きぬ悩み
◇喫煙率高い運送業界、各社の対応は  受動喫煙の防止努力義務化
◇荷待ち時間対応「荷主の理解どこまで」 長い荷待ち対価意識は
※記事本文は物流ウィークリーWebサイトをご覧ください。



■ 冬の危険! ヒートショックの話 ..。..。..。..。..。..。..。

「ヒートショック」という言葉をご存知でしょうか。

ヒートショックとは、急激な温度差が原因で、血圧の急上昇、急下降が発生し、カラダにダメージを与え、脳卒中や心筋梗塞、不整脈などを引き起こすなど、最悪死亡につながる現象のことです。
夏の熱中症と並び、冬特有の健康被害として、昨今注目を集めています。

ヒートショックを起こす最たる例としては、冬の入浴時が挙げられます。暖かい居間から寒い浴室に移動し、急激な温度変化にさらされることで、ヒートテックが発生することが知られています。
入浴中の死亡者数は、年間17000人にのぼり、これは交通事故死亡者数の3倍以上の数値。すべての方がヒートテックであるとは限りませんが、夏の熱中症同様、季節病のひとつとして、十分な注意が必要です。

ヒートショックを起こしやすい人の条件として、以下が挙げられています。
・年齢が65歳以上である
・高血圧、糖尿病、脂質異常症のいずれかひとつ以上と診断されている
・肥満(BMI25以上)である
・呼吸器系に何らかの異常(睡眠時無呼吸症候群、喘息など)がある
・不整脈(脈が乱れる、脈が飛ぶなど)がある

さて、このヒートショック、前述のとおり浴室などの寒暖差のある室内で発生することが多いとされています。つまり、秋元通信の読者皆様の会社内、倉庫など施設内では直接関係ないように思われますが、実のところはどうなのでしょうか?

先ごろ厚生労働省が発表した「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況(平成25年度)」によれば、脳および心臓疾患による労災請求件数統計において、全業種中もっとも請求件数が多いのは、「運輸業,郵便業」の「道路貨物運送業」 だそうです。大変不名誉なことに、過去3年間、「道路貨物運送業」 はトップに位置し続けています。

ヒートショックに関する研究や統計は、始まったばかりです。また、脳卒中や心筋梗塞において、寒暖差は主たる原因のひとつではありますが、絶対条件ではありません。
つまり、断言はできないのですが、運送業において、脳および心臓疾患が多いことは、寒暖差の大きい車内と外を行き来することの多いドライバー、室内と倉庫を行き来する内勤者(倉庫作業員)といった、物流業界特有の過酷な労働環境が関連していることは、おそらく間違いがないのではないでしょうか。ちなみに、前述統計の二位は、物流業界同様寒暖差の多い労働環境が推測される建築業です。

暖かい事務所内から寒い倉庫内に移動する際や、荷役やタイヤチェーン装備のために車外に出る際には、十分な防寒着を着ること。「少しだけだから」といって軽装で寒い倉庫や屋外、車外に出ることは危険です。ヒートショックは、温度差が10℃以上急激な温度差にさらされる際に危険度が増すとも言われているからです。

参考資料:
暖差リスク予防委員会
http://dansa-risk.com/

厚生労働省 「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況(平成25年度)」 
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049293.html



最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。


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