秋元通信

荷役を安全かつ健全に行うことのできる街づくりを望みたい (自転車活用推進法の成立に寄せて)

  • 2017.2.16

佐川急便東京営業所で発覚した身代わり出頭事件については、おそらく秋元通信読者の皆さまの多くが関心を持たれていることと思います。駐車違反を切られた運転手当人とは別人を身代わり出頭させたとして、摘発された同社社員は62名になりました。
 
同社の行ったことは許されることではありません。
しかし、特に都市部の配送において、トラックの健全な駐車場所を確保することが難しいことも現実です。
考えてみれば、貨物、旅客、いずれの輸送事業においても、トラック輸送以外のほとんどの輸送形態においても、健全な荷役場所は確保されています。飛行機、船、鉄道、バスなど、それが旅客であれ、貨物であれ、荷役場所(乗降場所)は確保されています。あえて言えば、バス停は必ずしも健全とは言い難い場所に設置されている場合もありますが、それはまた別の話です。
 
何が言いたいかと言えば。
街づくり、もっと言えば都市計画の中に、トラック以外の輸送手段における荷役場所は原則として含まれてきました。含まれていないのは、トラック輸送の荷役場所だけです。
この非合理な現実を、物流に関わる者、特にトラック輸送産業に関わる者は「非合理である」と声を挙げる必要があるのではないでしょうか。
 
昨年12月、自転車活用推進法という新たな法律が成立、公布されました。
 
同法は、『自転車の活用の推進に関し、基本理念を定め、(中略)自転車の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定め(中略)、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的』(※条文より)としています。
 
同法における基本方針では、自転車レーンの整備や、路上型コインパーキングの見直し、鉄道駅との連携強化など、街づくりに関わる記述が存在します。
 
筆者は自転車乗りでもあります。ですので、自転車レーンの整備はありがたいことですし、必要なことだと考えます。同法の成立もうれしく思います。しかし、(あくまで仮定の話ではありますが、)街が自転車レーンだらけになり、ますます荷役場所に困るような街づくりが行われることになれば、トラック輸送産業はどうなってしまうのだろう!?、と懸念するのです。
 
物流のプロの立場から、街づくりのグランドデザインに進言をすること。
今までないがしろにしてきたのかもしれませんが、今、これができなければ、都市部におけるトラック輸送は危機的な状況に陥ることでしょう。
 
自転車活用推進法は、我々に向けられた逆風の例のひとつです。
世間とどう向かい合うのか。物流業界として、どのような意見発信を行うのか。
 
業界としての意見表明を行うチカラが、物流に携わる我々には求められています。
 
 
 

参考

 

自転車活用推進法 全文

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g19201010.htm

2017年2月1日 (水)「グッチャリセミナー&ワークショップ どう変わる?サイクリストにとっての『自転車活用推進法』」を開催しました。

自転車活用推進法に関して開催されたセミナー。同法の成立に力を尽くした関係者、自転車関連の著名人、国土交通省の室長などが参加しパネルディスカッションを行っています。
筆者も裏方として参加しました。

http://good-charism.com/archives/2033


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