秋元通信

実はマイカーが欲しい!? 躍進するカーシェアサービス

  • 2017.9.28

先日、東京都大島で行われたサイクリングイベントに参加したのですが、同行した仲間が怪我をしてしまいました。落車して右腕の筋を痛め、三角巾で腕を吊った状態で竹芝桟橋まで戻ってきた友人。「家までどうやって帰ろう?」、悩む我々の助けとなったのは、筆者が契約するカーシェアサービスでした。竹芝にあるカーシェア・ステーションでクルマを借り、私が運転して自宅まで友人を送りました。「友人と自分の自転車二台を担いで、輪行(※自転車を専用の袋に入れて、電車に乗ること)して帰るか…?」なんて、とてもしんどいですから。
世の中、便利になっていたものです。
 
さて、今回は認知度も上がってきたカーシェアサービスについて取り上げます。
 
 
そもそも、カーシェアリングサービスとは?
レンタカーの一種ではあるのですが、レンタカーが原則として不特定多数に提供されるサービスであるのに対し、カーシェアリングサービス(※以下、長いのでカーシェアとします)は、あらかじめ利用者登録した会員に対し提供されるサービスです。
 
筆者は、駐車場大手のタイムズが運営するタイムズカープラスと契約しています。国内のカーシェアは、オリックスカーシェア、カレコとタイムズカープラスが大手三強となっていますが、タイムズカープラスは2016年末のステーション数が8772箇所、車両台数が16550台と、業界二位オリックスのステーション数:1492、車両台数:2507台と大きな差をつけています。

「カーシェアリング市場動向(カーシェアリング比較360°)」より、カーシェアサービス各社の実績。


 
カーシェアの基本的な使い方をご紹介しましょう。
まず、カーシェア会社が提供しているWebサイトにアクセスし、クルマの予約を行います。スマホの場合は、専用アプリも用意されています。クルマを借りたいステーションを検索し、そのステーションに駐車されているクルマから、借りたい日時に空きがあるクルマを確認します。クルマを選択し、利用開始日時、返却日時を入力すれば予約完了です。タイムズの場合は、同時にクルマのカーナビに目的地を登録しておくことも可能です。
利用時間にあわせ、カーシェア・ステーションに向かいます。ステーション、と言っても、大概の場合は街なかの駐車場です。受付をする係員はいません。
ステーションで借りる予定のクルマを確認したら、利用者登録を行った時に渡された会員カードを用意します。クルマのどこか(大抵は後部の開かない窓)にICカードリーダーが設置されていますので、窓越しに会員カードをタッチします。認証がOKであればロックが解除され、クルマに乗り込むことができます。
後はダッシュボードからキーを取り出せば、出発の準備は完了です。
返却の時は、ICカードリーダーに会員カードをタッチすることで、施錠することができます。
 
 
筆者は数年前に自家用車を手放しています。基本的に不自由はしないのですが、やはり時々車を使いたい時はあります。仕事でもプライベートでも、カーシェアはいろいろと便利です。
 
先日、北関東某所の物流企業に伺った時は、最寄り駅からカーシェアを利用しました。
会社から社用車で行っても良かったのですが、自分で運転するよりも電車移動のほうが楽ですし場合によっては早いです。私の場合、打ち合わせ直後に大まかな議事録を作成する習慣があるので、電車だと移動中に仕事をすることができるというメリットもあります。
 
プライベートでは、長尺物や大物を買い物する時に利用しています。ホームセンターなどでは無料で荷物運搬用にクルマを貸してくれますが、あのクルマ、任意保険に入っていないケースが結構あります。そんなリスクを犯すくらいならば、カーシェアを使ったほうが安心です。
 
タイムズカープラスの場合、料金はガソリン代込み15分206円から。
振り返ったところ、昨年6月から今年5月までの私の利用実績は、1316km/101,680円でした。マイカーを保有していたころは、年間7,000~8,000km位走っていましたので、いろいろな意味で節約ができています。
 
カーシェアサービスの会員登録者数は、今年初めて100万人を超え、108万6千人に達したそうです。
興味深い調査があります。同調査によれば、カーシェアリング利用者の3割は、「できればマイカーが欲しい」と考えていて、逆に「マイカーはいらない」と考えている人は2割なんだとか。私のように、「カーシェアがあれば、自家用車はいらないよね」と考えているのは少数派ということです。
若者のクルマ離れが叫ばれて久しいですが、もしかするとカーシェアが若者とクルマとの懸け橋となるかもしれませんね。
 

「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団より

「生活者分析|カーシェアリング受容動向」(式会社リスキーブランド実施の生活意識調査)


 
 

参考

カーシェアリング市場動向 – 2016年総括版:主要5社 ステーション数・車両台数の推移 (カーシェアリング比較360°)
https://www.carsharing360.com/special/market/2016_02.html
 
わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移(2017年5月8日)(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)
http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2017.3.html
 
» カーシェアリング利用者の3割は『マイカー欲しい』派、2割が『マイカー要らない』派。 http://www.riskybrand.com/report_170428/


関連記事

■数値や単位を入力してください。
■変換結果
■数値や単位を入力してください。
■変換結果
  シェア・クロスバナー_300