秋元通信

今さらながら、ドローンについて知ろう

  • 2018.1.18

最近何かと話題のドローン。
物流分野では、新たな輸送手段として期待され、また検証実験も始まっていることから、興味をお持ちの方も多いことでしょう。

今回は、知っているようで知らない方も多い、ドローン関係の知識をまとめました。

  • そもそも「ドローン」って何?

無人航空機のことを総称してドローンと呼びます。ドローン=「複数のプロペラを備えたマルチコプター」という勘違いしている人もいらっしゃいますが、飛行機型のものも、ヘリコプター型のものも、ドローンと呼びます。一例を挙げれば、湾岸戦争で活動した無人爆撃機もドローンに分類されます。

 

  • ドローンには免許が必要なのか?

必要ありません。
では世の中にある「ドローン免許」とはなんでしょう?
実はこれ、民間の組織がそれぞれ勝手に発行しているものであり、公的な効力はまったくありません。しかし、名の通った民間組織が発行した資格の場合、ドローン操縦技能に対する担保となりますので、仕事でドローンを利用されるプロカメラマンの場合などは、いわゆる「ドローン免許」を取得する人が増えてきています。

 

  • ドローンを飛行させるためには許可が必要なのか?

飛行する場所と条件によって、許可を必要とする場合があります。
詳細は省きますが、許可が必要な代表例を挙げましょう。

・政府施設や空港などの近くで飛行させる場合。
・人が多いところ(人口密集地やイベント会場等)で飛行させる場合。
・夜間飛行
・目視できない条件での飛行

常識的に考えて、危険や問題がある場所での飛行は、ほぼ何かしらの規制が入っていると考えて良いでしょう。
また、法律とは別に、都道府県などが定める条例によってドローン飛行が規制されている場合もあります。

 

  • ドローン物流はいつ実現するのか?

2017年3月に行われた、「物流用ドローンポート連絡会」(国土交通省)において発表されたロードマップでは、2018年度に山間部や離島におけるドローン物流を開始、2019年度に都市部におけるドローン物流の社会実験を開始し、ドローン物流の実現は2020年以降とされています。また、2019年度中に、ドローン物流の担い手に対する「運航管理者」等資格認定を開始する、とあります。

なんだかずいぶんと性急なロードマップに思えるのですが、ドローン物流は本当に実現するのでしょうか?
以下、筆者の私見を申し上げます。

山間部など、過疎地域におけるドローン物流は比較的早い時期に実現すると思いますが、都市部におけるドローン物流は、実現そのものがかなり厳しいと考えます。実現したとしても、それは極めて限定的な地域や用途に制限され、少なくともトラックによる個配に代わるような存在にはならないでしょう。

理由は、墜落に対する安全対策です。

突然ですが、ドローン物流の実現を阻む、最大の敵はなんでしょうか?
故障、それとも風?
私は、鳥だと考えます。
航空機が鳥と衝突するバードストライクは、現在でも大きな課題であり、日本国内だけでも年に数億円の損害が出ていると言われています。バードストライクを避ける、つまり航空機に向かって飛んでくる鳥を回避するための有効な技術は存在しません。航空機がバードストライクによって、墜落等の致命的な事故を起こしていないのは、航空機が鳥に比べて大きく、頑丈であることに助けられている要素が大きいです。
鳥と同程度の大きさ(もしくは小さいこともあるでしょう)のドローンの場合は、バードストライクによって生じるドローンの被害はどうしても大きなもの(例えば墜落)にならざるをえません。

「ドローンは墜落するものである」
極端に聞こえるかもしませんが、よほどの技術的なブレイクスルーが開発されない限り、ドローン物流は、この前提下において運用せざるを得ません。つまり、墜落しても大丈夫な場所でしか、物流ドローンは飛行できないことになります。将来的には都市部においても、屋根やトンネルで保護されたドローン専用航路が用意される可能性はありますが、数年間は「墜落しても大丈夫な場所(航路)」が確保しやすい過疎地域でしかドローン物流は運用できないと考えます。

故障や風(気象条件)によるドローンの墜落は、防ぐことができます。
故障は整備によって防げますし、雨風による墜落は、天気予報とにらめっこして雨や風が強い時には飛行させなければ良いわけです。ただし、そう考えるとドローン物流って、365日年中無休というわけにはいかず、意外と稼働日数は低くなりそうです。

期待と話題が先行している感があるドローン物流ですが、日本や欧米よりもアフリカや中国などの方が早く実現しそうです。事実、タンザニアでは医薬品を届けるための大規模なドローン物流網が整備されつつあるそうです。

かつて中国では、携帯電話が凄まじい勢いで拡大・普及しました。これは固定電話網が普及していなかったことから携帯電話の方が早くインフラ整備が進んだことも一因であるとされています。同じことが、ドローンでも起こるのかもしれません。

ところで。
ドローン物流が一般的になった時代の物流倉庫って、どんな形になるんでしょうね?
屋上にヘリポートのようなドローンポートが並び、管制室(配車室??)が物見台のように突き出した形になるんでしょうか?
個人的には、倉庫の側面にドローン用の射出口が複数あって、荷物を抱えたドローンが次々と飛び出していく方が、基地的な格好良さがあって惹かれます。

いずれにせよドローン物流は、ここ2~3年で大きく発展するものと考えられます。
注目しましょう!

 

参考

物流分野における小型無人機の活用(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_tk_000024.html

ドローン(無人航空機) Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F

無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン(国土交通省 航空局)
http://www.mlit.go.jp/common/001128047.pdf

無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

小型無人機等の飛行禁止法について(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/heion/drone.html

バードストライクデータ(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk15_000001.html


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