秋元通信

【あきもと採用ウラ話】インターンシップと高卒者採用活動の辛い関係 その壱

  • 2016.12.20

先日、高校生を迎えてのインターンシップを実施しました。
インターンシップの実施は、これで4回目となります。

これだけインターンシップのことを書き、そして言い続けていると、「うちも高卒者の採用を行いたいからインターンシップを行ってみたいんだけど…」といった相談を頂戴するようになります。
ただし残念なことに、現実はそう簡単ではありません。
今回は、そのあたりのことを書き連ねてみましょう。

 

まずは現状把握から。
厚生労働省の報道発表資料によれば、来春2017年3月高校卒業予定者に対する求人求職活動の実態は以下のとおりです。

  • 求人数 約36万人
  • 求職者数 約17万7千人
  • 求人倍率 2.04倍

ちなみに、大卒予定者の求人倍率は1.74倍
求人倍率だけを診ても、大卒者に比べて高卒者の採用が難しいことが分かります。

さらに、東京のケースを考えてみます。
東京都内における来春卒業予定の高校生のうち、就職希望者は6458人。とても少ないと思いませんか?
東京都内に高校は640校ありますが、うち偏差値54以下の高校は379校です。仮に、就職を希望する生徒は偏差値55以上の高校にはいないと仮定します(実際には、もっと現実は厳しいです)。就職希望者数(6458人)を偏差値54以下の高校数(379校)で割り算すると、一校あたりの就職希望者数は、約17人になります。

考えてみてください。
インターンシップって、手間がかかりますよ。それも結構シャレにならない手間がかかります。
その手間をかけ、頑張ってインターンシップを行っても、高校一校あたりの就職希望者は約17名。一学年の生徒数を200名と仮定すると、インターンシップを行っても、目の前にいる学生の10名にひとりしか就職希望者はいないことになります。
しかも求人倍率から考えると、求人を希望しても半分の会社は採用ができない(もしくは募集数が満たせない)というのが現実です。

それでも、インターンシップを行いますか…?

 

結論から言えば、インターンシップを行うのであれば、CSR活動としてのメリットなど、採用以外のメリットをモチベーションとするべきです。下心として、「この中の何人かが、うちに応募してくれたらなぁ」と思うのは構いません。しかし、この下心が主たる動機になってしまうと、とても厳しく、辛い現実に直面することになりかねません。

では、高卒者の採用をインターンシップに求めてはいけないのか!?
それはケースバイケースでしょうね。この続きは、次号に引き継ぎましょう。

 

今回、高校生5人を迎えて行ったインターンシップの様子を、画像とともにご紹介します。

フォトギャラリー

※画像はクリックで拡大します。

 


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