秋元通信

熱中症も怖いが、水中毒も怖い

  • 2017.5.16

5月に入り、急に暑い日が増えてきました。
この時期は、まだカラダが暑さに慣れていないこともあり、7月、8月といった盛夏の時期以上に熱中症が怖くもあります。
 
熱中症にならないため、大切な対策のひとつは、水分補給です。しかし、最近では水中毒という新たな危険性も指摘されるようになってきました。
 
水中毒とは、水を大量に飲みすぎることによって引き起こされる中毒症状のことです。水を大量摂取した結果、血液中のナトリウムイオン濃度が低下し、最悪死に至る危険なものです。
 
水分を補給しないと熱中症になり、補給しすぎると水中毒になる。これは困った話です。
必要な水分摂取量は、その人の体型や年齢、代謝や、その時の状況(安静にしているのか、運動しているのか。もしくは外気の気温など)に大きく左右され、絶対量の算出が極めて困難なんだそうです。
 
「ランニング学会」(http://www.e-running.net/)によれば、「(マラソン)レース中の水分補給に関する誤解とは」として、以下みっつを挙げ、水中毒に関し注意喚起しています。

  • レース中に水を飲むな、という誤解
  • レース中にできるだけ多くの水を飲め、という誤解
  • マラソンや駅伝での疲労困憊アクシデントの原因が全て「脱水」という誤解

3番目の誤解に関して補足すると、水中毒も、熱中症(脱水)も、外見上の症状はとても似通っていることから、より認知の高い脱水(熱中症)と安易に判断されてしまうのだとか。
 
実際、あるフルマラソン大会において、素人ランナー(※優秀なタイムを出せるランナーを除く)を調べたところ、水中毒の症状が何人も発見されたという報告もあります。補給所のたびに、用意されたカップの飲料を摂取し続けると、競技レベルの低い素人ランナーは水中毒になることがあるんだそうです。
 
熱中症を防ぎ、かつ水中毒にならない水分摂取量については、前述のとおり絶対量の算出が極めて困難です。
しかし、概ねの目安として、以下の注意を払うことがポイントになりそうです。

  • 人間が一日に必要な最低限の水分摂取量は、食事での摂取量を含めて2.5リットルから3.0リットルほど。体重1kgあたり、40mlが目安です。
    必要水分摂取量よりも著しく少ない、もしくは多すぎる水分摂取は注意することが必要です。
  • 運動時には、水ではなくスポーツ飲料を摂取すること。ただし、スポーツ飲料も塩分や糖分が足りないものが存在するので、そのような場合は、梅干しや熱中症対策のミネラルタブレットなどを合わせて摂取することも効果的。
  • 尿や汗が少ない、もしくは多すぎる際には熱中症ないし水中毒を疑うこと。
  • めまい、筋肉がつる、異常な倦怠感など、カラダの不調を感じた際は、休憩すること。

特に最後が大切でしょう。
水中毒に関しては、まだまだ研究不足であり、熱中症ほど認知も進んでいません。
最新の情報収集を行い、正しい知識を習得する必要があります。
 
暑い野外で活動する際には、適切に水分摂取すること。
かと言って喉が渇いたからと言って、1.5リットルのペットボトルを何本もがぶ飲みするなど、非常識な水分摂取は行わないこと。
 
何事もほどほどが大事です。
 
 

参考および出典

水中毒(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E4%B8%AD%E6%AF%92

マラソン中に死亡も、低Na血症の防ぎ方…スポーツ飲料でも注意
http://kenko100.jp/articles/150714003529/

(ランニング学会の見解)マラソンレース中の適切な水分補給について
http://www.e-running.net/files/130114position_stand.pdf

熱中症からカラダを守ろう
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/

水中毒の症状とは
http://www.skincare-univ.com/article/034100/


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