秋元通信

「2018年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」について

  • 2018.5.30

マイナビが毎年公開している掲題のアンケート調査について、ポイントおよび筆者が気になった点を抜粋してレポートします。
本レポートは、昨年の大卒新卒者採用活動(2018年卒)に関し、昨年10月3日を期限として企業を対象に行ったアンケートとなります。
 
 

『内定者数/募集人数で「採用充足率」を計算したところ、「新卒全般」では前年を4.7pt下回る83.0%となった』

 
募集人数/入社実績数で計算をしたところ、全体では17年卒入社実績よりも10.8%増となり募集人数を増やした企業が多いんだとか。ちなみに、統計的なデータではないのですが、高卒新卒採用に関しては、募集職種が増え、総体的に募集人数が増える(求人倍率が上がる)という話をあちこちで耳にしました。
 
 

『採用活動の印象は、「昨年よりも厳しかった」が47.1%、「昨年並みに厳しかった」が44%で、9割以上の企業が「厳しかった」と回答』

 
本項目、企業の従業員数別に分析すると興味深いです。
従業員数が多い企業ほど、「昨年よりも厳しかった」が減少し、「昨年並みに厳しかった」が増えるのですが、一方で従業員が少ない企業ほど、「前年よりも楽だった」が増えます。
従業員数:50人未満の企業では、10.1%が「前年よりも楽だった」と答えています。
従業員の人数と、社員の会社への満足度が反比例することは、最近注目され始めていますが、もしかするとそういった認識が浸透し始めているのかもしれない…、というのは考えすぎでしょうか。
 
 

『内定を出す基準は4年連続で「前年より緩くした」が「前年より厳しくした」を上回る』
『「質・量ともに満足」の割合は01年卒以来最低、「量に満足」の割合も16年卒に次ぐ低さ』

 
ただし、「質は満足・量は不満」の割合は決して低くなく、37%もあります。統計結果としては矛盾して見えます。どういうことなんでしょうか?
 
 

『会社説明会で力を入れて説明した点は、「具体的な仕事内容」が最も多く(54.6%)、以下、「社風・社内の雰囲気」(49.6%)、「若手社員の話」(29.2%)と続く』

 
一方で、就活中に学生に「会社説明会で聞きたかった内容」をアンケートしたところ、企業側の目論見とは異なり、「入社後のキャリアモデル」と「採用スケジュール」をもっと聞きたかったという結果が出ました。例えば採用Webコンテンツを制作する際、このあたりを充実させることが、学生側の満足度向上に繋がりそうです。
 
 

『53.5%の企業が、内定辞退が3割を超えていると回答した』
『内定辞退が発生した企業において、2割の学生が内定辞退の連絡をしてこない(連絡がつかない/無視)』

 
これは…問題だと思いますよ。何かしら学生側にペナルティを課す方法はないのでしょうか??
 
 
本資料は、人事を担当されている方であれば、仮に大卒新卒の採用を行っていなくとも目を通す価値のある資料です。66ページあるので、面倒ではあるんですけどね。
 
最後に、ある意味もっとも気になる、採用コストについてご紹介しましょう。

  • 採用費総額の平均:493.4万円
  • 採用費中の広告費平均:216.1万円
  • 採用費中の内定後にかける費用の平均:61万円
  • 採用費中のセミナー運営費平均:150.8万円
  • 入社予定者ひとりあたりの採用費平均:53.4万円

「入社予定者ひとりあたりの採用費平均」を過去と比較すると、2017年卒:46.1万円、2016年卒:45.9万円、2015年卒:45.5万円であり、2018年卒は急に採用コストが上がっています。
 

 
学生有利の採用マーケットは今年も続くのでしょうか?
高卒採用は、就職希望者が増える見込みもあるのですが…
 
いずれにせよ、採用担当者が気を揉むことは、まだまだ続きそうですね。
 
 

出典:2018年卒 マイナビ企業新卒内定状況調査

 
https://saponet.mynavi.jp/release/enterprise/naitei/2018%E5%B9%B4%E5%8D%92%E2%80%90%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%96%B0%E5%8D%92%E5%86%85%E5%AE%9A%E7%8A%B6%E6%B3%81%E8%AA%BF%E6%9F%BB/
 
 
 


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