全日本トラック協会が毎年発行している、『日本のトラック輸送産業 現状と課題』の最新版が発行されました。
筆者の独断と偏見で、ポイントをピックアップしましょう。
もう少しブレイクダウンすると、キロベースで91.5%、トンキロベースで51%となります。
この値は、ここ数年ほとんど変わっていません。
さらに言えば、従業員50名以下の会社まで拡大すると、90.1%が含まれます。運送業界が中小零細企業の集合体であることが分かります。
ちなみに全産業平均額が491万円となります。ここ4年ばかりで30万円強上がったのですが、全産業平均も同じくらい上がっているので、とりたててトラックドライバーの待遇改善につながっているとは言い難い状況です。
全産業平均の年間労働時間が2136時間。対して大型トラック運転者:2604時間、中小型トラック運転者:2592時間となってます。
「実働一日1車あたり輸送トンキロ」を比較すると、2014年:615.84だったものが、2016年には588.08、つまり95%まで減っています。
「重たいものを遠くまで運んだほうが稼げる」を正義とするのであれば、トラック輸送の売上効率が下がっていることになります。
2007年、63122社まで増えた運送会社は、以降少しづつ減少し、2017年には62176社まで減りました。
2017年に特徴的だったことは、新規参入した事業者が約2割増化した一方、退出した事業者も約3割増加したことです。
2012年以降、新規参入社数を退出社数が上回る状況が続いていますが、退出社数が1500社を超えたのは、2010年以来となります。
筆者が一番興味深く感じる点は、最後に挙げた事業者数の遷移です。
最近、M&Aを含む事業承継の話をよく聞きますが、旧態然とした運送業界にも、大きな変化の流れが訪れようとしているのかも知れません。
『日本のトラック輸送産業-現状と課題-2018』は、全日本トラック協会Webサイトにて公開されています。
http://www.jta.or.jp/index_truckgaiyo.html
ぜひ、物流に関わる多くの方に、ご覧いただきたく思います。