「東京消防庁によると、けがや脳梗塞、熱中症の疑いなど全ての症状を理由にした1日ごとの出動件数は7月17日に一気に増え、2900件に。1936年の業務開始以来82年間の過去最多を更新した」
BuzzFeedNews より
これは東京のケースではありますが。
この夏の異常な暑さのため、全国的に救急車の出動が増えているそうです。
安易に救急車を呼ぶのはよくありませんが、かと言って状態が重篤なのに救急車を呼ぶことをためらい、結果、命に危険が及ぶようなことは避けなければなりません。
熱中症で救急車を呼ぶ時の判断基準について、まとめてみました。
以下の状態に当てはまる場合、脱水症状の疑いがあります。
「ツルゴール低下」という症状です。
高齢者の場合、もともと皮膚のハリが低下しているため、つまんだ後、皮膚がもどる状態を観察します。
通常だと、爪をおさえてから離すと、すぐに赤みが戻ります。
脱水症状が疑われる場合、水分を補給する、涼しい場所で休むなど、適切な対応を取りましょう。
熱中症は、その状態によって重症度1度、2度、3度まで分類されます。
3度に該当する場合、躊躇せずに救急車を呼ぶべきです。
以下は、環境省「熱中症予防情報サイト」の「熱中症環境保健マニュアル2018」から抜粋したものです。
- 手足がしびれる。
- めまい、立ちくらみがある。
- 筋肉のこむら返りがある(痛い)。
- 気分が悪い、ボーっとする。
→対応
涼しいとこで一休み。冷やした水分・塩分を補給しましょう。誰かがついて見守り、良くならなければ、病院へ。
- 頭ががんがんする(頭痛)。
- 吐き気がする・吐く。
- からだがだるい(倦怠感)。
- 意識がなんとなくおかしい。
→対応
1度の処置に加え、衣服をゆるめ、体を積極的に冷しましょう。
- 意識がない。
- 体がひきつる(けいれん)。
- 呼びかけに対し返事がおかしい。
- まっすぐに歩けない・走れない。
- 体が熱い。
→対応
救急車を呼び、最寄りの病院に搬送しましょう。
また同マニュアルでは、救急搬送の必要性を判断するポイントとして、以下を挙げています。
- 意識がしっかりしているか?
- 水を自分で飲めるか?
- 症状が改善したか?
もうひとつ、ポイントがあります。
熱中症にかかり、例えば休憩しているとします。その時は、必ず誰かが付き添い、状態を見守ることを強く推奨しています。
私自身も経験があるのですが、「大丈夫、少し休めば復活するから…」などと言われてひとりにしてしまいがちです。特に熱中症にかかったのが大人の場合、本人にも迷惑をかけて申し訳ない、という気持ちがある分、強くこういったことを主張されるケースがあります。
本人の希望的観測とは関係なく、熱中症の症状が悪くなるケースがありえますので、誰かが付き添い、症状が悪化しないことを必ず確認してください。
さらにもうひとつ。
「自分で水を飲むことができるか?」というのも大切なポイントです。
これはTVでもやっていたのですが、熱中症患者に対し、口元までコップやペットボトルを運び、口に流し込むようなことは絶対にやってはいけないそうです。
誤飲など、深刻な事態を招くことがあるんだとか。
飲み物を手渡し、自ら飲むことができない場合は、すぐに救急車を呼ぶべきです。
なお、救急車を呼ぶべきか判断に迷った時は、以下に電話し相談しましょう。
#7119 救急相談センター
救急車を呼ぶべきか迷った時だけでなく、病院に行くべきか迷ったときにも相談にのってくれます。
暑い日々が続きます。
皆さま、ご安全に!
環境省「熱中症予防情報サイト」 (※「熱中症環境保健マニュアル2018」など掲載先)
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_pr.php