秋元通信

仕事で使えるレイヤリング術

  • 2019.2.28

季節の変わり目は寒暖差が大きく、どうしても体調を崩しがちです。
今回はレイヤリング、つまり重ね着のテクニックを使って、日中と夜の気温差が大きい日も快適に過ごす方法を考えます。
 

「レイヤリングって、登山の時に使うものでしょ? スーツとか、仕事のときにも使えるの?」

 
はい、レイヤリングをご存知の方は、このように思うかもしれませんね。
 
レイヤリングとは、登山やウォーキングなど、汗をかくシーンで用いられる重ね着のテクニックです。
レイヤリングは、山中の寒暖差が大きい環境で、登山で汗をかいても快適な状態を保つことを目的としています。
 
レイヤリングに用いられる衣服は、大きく以下のみっつに分類されます。
 
ベースレイヤー
肌着や下着が該当します。アンダーウェアとも呼びます。
汗をかいても肌を快適に保つ吸湿性能や速乾性能に加え、保温性能などが求められます。
 
ミッドレイヤー
保温性能とともに、汗を外気に逃がす透湿性能などが求めらます。
セーターから、フリースまでさまざまなバリエーションがあります。
 
アウターレイヤー
上着です。防寒に加え、防風、また用途によっては雨具の代わりとなる耐水性能なども求められます。
 
レイヤリングを考えるとき、「重ね着をすることで防寒を実現する」と考える方がいらっしゃいます。間違いではないのですが、重要なのは「着る」ことではなく「脱ぐ」ことです。
「ちょっと暑いなぁ…」と思った時に、重ね着した衣類を脱ぐことで、身体にとって快適な状態を保つことが大切です。
 
では、レイヤリングを仕事着、つまりスーツやジャケットスタイルに合わせる方法を考えましょう。以下では、冬から春先、つまりちょうど今頃の季節を考えましょう。
 
ベースレイヤーは、アンダーウェアに該当します。
ミッドレイヤーは、ワイシャツやカーディガン、もしくはジャケットに該当します。
アウターレイヤーは、コートないし、コートを着ない場合にはジャケットに該当します。
 
と、考えると….、ちょっと困りませんか?
そう、脱げませんよね。
社内ならばともかく、今の季節、出先で「暑いから…」と言ってジャケットを脱ぐのも少し変です。そもそもワイシャツは脱げませんし。
アウターレイヤーに関しても悩ましいです。というのも、「自分は寒がりだから」と言って、分厚い寒冷地用のダウンジャケットを仕事で普段使いするのも少し気が引けます。今の季節、陽気が良いからといってコートを完全に脱ぐと寒く感じることもあります。そもそも、脱いだコートを手に持って移動するのもあまりスマートとは言えません。
 
そこでおすすめするのが、ミッドレイヤーとベースレイヤー(アンダーウェア)に工夫をすること。
 
まず、アンダーウェアについて。
ファストファッションメーカーが提供する、1000円前後のアンダーウェアではなく、アウトドアメーカー製の高機能アンダーウェアをおすすめします。価格は5000円前後から7~8000円位と、値段は数倍違いますが、着心地がまるで違います。電車内など、暖房がきつい場面でもかいた汗を吸湿し、後で汗冷えするようなことは、ほぼありません。最近では、丸首だけではなく、Vネックのものもあり、白や黒、グレーといった地味な色もラインナップされていますので、ビジネスシーンでも使いやすくなっています。
 
ミッドレイヤーについては、今着ているものにプラスアルファで防寒用の、でも目立たないミッドレイヤーを加えるのがポイントです。
最近では、アウトドアブランドを中心に、各社からミッドレイヤー用に作られた薄手のダウンジャケットやダウンベストも発売されています。ダウン以外にも、フリース素材で作られたベストタイプもあります。首元が大きくV字にカットされていたり、袖丈が8分丈など短めに設定されており、ジャケットの下に着込んでも目立ちません。
しかも、小さく折りたたむことができるものが多いので、陽気の良い日中はカバンにしまっておき、寒さを感じる朝夕の通勤時のみ着込むといった使い方も可能です。
 
年齢を重ねてくると、自律神経の反応が悪くなることで、気温の変化を原因として疲れを溜めてしまうことがあります。そもそも、年齢に関係なく、疲れが溜まっていると季節の変わり目に体調を崩しがちです。
 
世の中、便利なものがたくさん増えておりますので。
「この季節、体調を崩しがちなんだよなぁ」という方は、お店に足を運び、自分なりの仕事着レイヤリングをコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
 
 
 

 
筆者が愛用しているダウンジャケット。
右はミッドレイヤー用ダウンジャケット。左は、アウター用のダウンベスト。表地や襟周りの質感が異なる(右のほうが薄く作られている)ことが分かるだろうか。
秋冬の肌寒い時期に行うパトロールの時などは、ジャケットの下に、左のダウンベストを着ることも(本来はアウター用だが)。
また、倉庫内で作業をするときは、作業用防寒着やコートなどのアウターレイヤー下に、右のダウンジャケットを着込むと底冷えする倉庫内においても快適性が飛躍的に上がる。


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