秋元通信

GW10連休における物流不安を検証する

  • 2019.3.29

今年のゴールデンウィークは、近代日本初となる10連休が待ち構えています。
10連休、楽しみにしている方もいらっしゃることとは思いますが、一方で「10日も休んで大丈夫なの!?」という不安もあります。
 
病院が10日も休むのは、持病を抱えている方や小さなお子さんがいらっしゃる方は不安でしょう。
行政サービスが10日も休めば、私どもの生活に影響ができる可能性は否定できません。
そして、物流。「商品が品切れを起こしてしまうのではないか?」と戦々恐々としているメーカーや商社もいらっしゃることと思います。
 
今回は、10連休に対する物流不安を考えます。
 
 
前回紹介した『ビジネス+IT』ですが、こちらにも本テーマで記事を寄稿しています。
 
https://www.sbbit.jp/article/cont1/36198
 
 
同記事では、「ゴールデンウィーク×物流不安」の問題について以下のようにまとめさせていただきました。
 
この物流不安にはふたつの側面があること。
ひとつは荷主側の不安。物流企業が10日間もの休業を取ることで、商品のデリバリーが滞るのではないかという不安。
もうひとつは、物流企業側の不安。10日間も休業するということであれば、当然ゴールデンウィーク前後に配送が集中することは火を見るよりも明らかです。
ただし、この不安には荷主側の不安もあり、ゴールデンウィーク前後の輸送繁忙期を鑑みると、「通常のデリバリー体制を取ることができない期間」は、10日を遥かに超えて長期化する懸念があります。
こうした課題が見込まれるのに、多くの物流企業では様子見をしている現実。
 
そして結論としては、社会のインフラたる物流が、こんなグダグダな状態で良いのですか!?、と問題提起させていただきました。
 
「ビジネス+IT」は、物流関係者に向けたメディアではなく、広く一般に向けて発信するメディアです。そのため、詳しい情報や事情は端折って記事を書いているのですが、秋元通信ではもう少し深堀りしてこの問題を考えましょう。
 
 
まず、今回の10連休に関し、当社では各所にヒアリングをかけました。
前述したとおり、物流企業の多くは様子見を決め込んでいます。
 
私ども事業者の立場から言えば、荷主に対して「10連休、しっかり当社も休みますんで。そこのとこよろしく!」(※こんな言い方をする会社はありませんけどね)とは言いづらいです。だから、荷主が何を言ってくるのか、ドキドキしながら様子見をしているわけです。
ところが、その荷主も意外とのんきです。
もちろん、「5月1日から3日は配送する(それ以外はお休み)」、「ゴールデンウィーク中は、翌日配送ではなく、翌々日配送にすることで対応する」などといった方針を出している荷主企業もいます。
しかし、このように方針を決めているのは、私どもが調べた限りでは、食品メーカーなど、BtoCビジネスを展開している、しかもかなりの大企業が中心です。
BtoCビジネスを展開しているメーカーや商社でも、方針を決めかねている企業はたくさんあります。さらに言えば、BtoBビジネスを展開している企業では、ゴールデンウィーク対策を明確にしている企業は少ないではないでしょうか。
 
 
結局、どたんば、つまりゴールデンウィーク直前になって、「どうにかして運んでもらえないだろうか…?」という不毛かつ生産性のない(とあえて辛辣な言い方をします)やりとりが、各所で行われることになるんでしょう。
 
これでは、日本の物流は変わらないですよ。
 
 
「ビジネス+IT」の記事にも書いたのですが。
私のお客様で、今春入社の新入社員たちの引越手配ができないと嘆いている企業があります。記事には書かなかった、もう少し詳しい背景をお知らせしましょう。

  1. 同社では、新入社員たちの寮となる物件と引越の手配を、ある大手不動産屋に任せていた。
  2. 2月も終わりになってから、件の不動産屋から、「新入社員たちの寮と引越の手配ができません!」と泣きついてきた。
  3. 原因は、ヤマトホームコンビニエンスの事業停止とレオパレスの施工不良に伴う、入居者に対する退去勧告。
  4. しょうがないのでホテルに仮住まいをさせることを考えたが、ホテルすら手配ができない(空室がない)。ちなみに場所は都内です。

このエピソードだけを聞いたら、皆さんはどう思いますか?
 
「早く言えよ!」
「その不動産屋だって、もっと早く問題を予見できたんじゃないの!?」
 
まったくそのとおりです。
そして、これは「ゴールデンウィーク×物流不安」問題に関して、同じことが言えるのではないでしょうか。
 
ゴールデンウィークに、「モノが届かない」事態が発生したとしましょう。
その時、最終的に困るのは消費者です。
そして、困った消費者はどう思うのでしょうか。
 
「物流業界は人不足だって言うし、仕方ないか…」
 
もちろん、こういう聞き分けの良い方もいらっしゃると思います。
 
でも…
「また物流かよ(怒)」
 
物流業界に幻滅する方もいるでしょう。
 
私は、これが一番怖いです。
某コーヒーメーカーのCMでは、トラックドライバーであることを恥じる主人公が描かれました。
これ以上、物流業界のイメージダウンになるようなことは極力避けなければならない。
 
そう思っているのは、私だけではないはずなのですが。


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