秋元通信

東日本大震災と防災をテーマにした記事を振り返る

  • 2021.3.15

東日本大震災から10年です。
当時、北野武さんが、こんなことをおっしゃっています。
 

「この震災を『2万人が死んだ一つの事件』と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。
 『1人が死んだ事件が2万件あった』ってことなんだよ」

 
※以下の記事から、北野武さんの発言の一部を抜粋しています。
ビートたけしが震災直後に語った「悲しみの本質と被害の重み」(NEWSポストセブン)
 
震災から10年が経ち、北野武さんのこの言葉がより重みを増しているように感じます。
東日本大震災が被災者の皆さまの、その後の人生に与えた影響は、ひとりひとり異なります。とても、十把一絡げに語ることができるようなものではありませんし、断じて語って良いものでもありません。
 
一方で、日本は熊本地震、台風による水害など、その後も災害に繰り返し、見舞われています。
例えば私のように、幸いにも今まで大きな災害にあった経験がない人たちも、いつかは被災者になる可能性があります。
 
 
メルマガ『秋元通信』では、以前から、東日本大震災関連、もしくは災害時の心構えについて、お届けしてきました。
10年の節目に、過去の記事を振り返ります。
 
 
 

東北の今 (2017年10月配信)

 
こちらの記事をご覧ください。
 
陸前高田市、南三陸町、大川小学校(石巻市)、そして、福島原発事故で町ごと封鎖された、浪江町付近の国道6号の様子を、写真でお届けした記事です。
 
特に、児童74名、教職員10名が死亡した悲劇の地、大川小学校の様子には、大きな衝撃を受けました。
当時、児童らの両親が、市と県を相手取って起こした訴訟は、大きな話題となっていました。私自身、親御さんらの心の痛みには共感しつつも、「未曾有の大災害において、先生らの判断と、その責任を問うことができるのであろうか?」という疑問を感じていました。
 
が、しかし、現地を訪れて、その疑問は変わりました。
これは、避難誘導の誤りによって引き起こされた悲劇です。
現地を診れば、より安全に避難できる場所が目の前にあったからです。
 
勘違いしないでほしいのですが。
間違った避難誘導(とあえて言い切りましょう)を行った先生たちを非難する意図はありません。私に、そんな権利はありません。
人間の弱さ、自然災害の容赦のない仕打ちに対し、やり場のない憤りを感じているだけです。
 
結果として間違った判断を行ってしまった先生方は、極限の状況において、冷静な判断ができなかったのでしょう。
これは他人事ではありません。
私も、読者の皆さまも、命をかけた極限下での判断を強いられる瞬間が来るかもしれません。そう考えると、とても怖いです。
 
 
 

南三陸町の記憶 (2018年10月)

 
こちらの記事をご覧ください。
 
南三陸町にあるホテル観洋が行っている、語り部バスのツアーレポートです。
 
今年、放送された各TV局の報道でも、語り部バス、そして語り部として活躍する伊藤俊さんは、たびたび登場していました。
読者の皆様も、機会があればぜひ、この語り部バスを経験してみてください。
 
 
なぜ、被災地を訪れるのか?
それは、単なる野次馬根性ではないのか?
 
何度も被災地に足を運びながら、私は、常にこの自問自答を繰り返していました。
その答えを得ることができたのが、このときの岩手県訪問の旅でした。
 

「これだけ日本各地で災害が続いています、皆さまも、いつ被災者になるか分かりません。自転車で街を走り、復興の様子を見て、皆さまも防災に対する学びを得てください」

 
これは、私の訪問目的であった、サイクリングイベント『ツールド三陸』の開会式にて、陸前高田市:戸羽太市長が語った言葉です。
同様の言葉は、語り部バスツアーでもありました。
 
自然災害は、他人事ではありません。
いつ現実になるか、それは誰にもわかりません。
 
だからこそ、私たちは、犠牲者の尊い御霊と、そして被災し、たいへんな苦労をした皆さまから教訓を請い、自分の命に守る方法を学ばなければならないのです。
 
 
 

その「大丈夫!」があなたを危険に晒す 正常性バイアスの話 (2018年9月配信)

 
こちらの記事をご覧ください。
 
災害が発生したとき、人は冷静な判断、最善の判断を下すことができないケースが、多々あります。
これは、人の弱さによるものですが。その最たるものが、正常性バイアスです。
 
人は、危機に直面しても、「いや、大丈夫だろう」と都合の良い解釈を行い、自ら危機的な状況を招いてしまうケースがあります。
正常性バイアスという、人の心理特性を知っていることで、極限状態においても、自らの命を守る可能性が増えます。
 
同記事では、釜石の奇跡を生み出した、「津波てんでんこ」という教えもご紹介しています。
ぜひ、皆さまにご覧いただきたい記事です。
 
 
 

夏休み、子供と遊べる無料スポット (2017年7月配信)

 
こちらの記事をご覧ください。
 
最後に、震災に対する学びを得られる、体験学習型施設をご紹介しましょう。
記事中、最後に登場する、そなエリア東京です。
 
そなエリア東京
http://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea/
 
ここでは、「東京直下72h TOUR」という体験型震災学習ができます。震災後の町並みを再現したスタジオ、そして展示を見ながら、災害において命を守る方法について、学ぶことができます。
 
実は筆者、この「東京直下72h TOUR」は、もう5回ほど経験しています。取材で2回、プライベートで3回です。
何度訪れても、ここには学びがあります。
とてもおすすめの施設です。
 
 
以前から、その危険性が指摘されている南海トラフ地震はもちろん、先日2月13日には、東日本大震災の余震とされる、最大震度6強の地震が発生しました。
 
いつ来るかわからない災害を恐れ、対策を講じる人、心配する人を、笑う人もいますけど。
いざ災害に襲われた時に後悔するくらいならば、笑われたほうが、よほどマシです。
 
東日本大震災から10年。
次に、巨大災害に襲われるのは、自分かもしれません。
 
いっそう、防災への構えを養いたいものです。


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