秋元通信

7年続けて見えてきた、オウンドメディアに関する3つの誤解

  • 2021.5.28

メルマガ『秋元通信』を始めたのは7年前の2014年2月のこと。
最初は、メルマガだけを送信していましたが、2015年9月にWebサイトリニューアルを行ったことを機に、メルマガ送信とは別に、メルマガで配信した記事を、自社Webサイトのブログページへアーカイブし始めました。
 
最近では、メルマガや自社サイトにおけるブログなど、オウンドメディアを立ち上げる企業が増えてきています。ここ最近、筆者のもとにも、オウンドメディアに関するご相談をいただくことが多くなってきました。
 
7年間にわたりオウンドメディアを継続してきた立場から、オウンドメディアに関して、よくある3つの誤解をご紹介しましょう。
 
 
 

「どんな記事がウケるのか?」は、やってみないと分からない。

 
メルマガ『秋元通信』の兄弟メルマガ『和泉通信』では、社員が顔出しをした、チャレンジングな企画もお届けしています。
 
Nintendo Switchで、Exergaming(※フィットネス系ゲーム)を楽しんでみたり…
 
 

『チャレンジ! Nintendo Switchで、運動不足を解消』

 
以下の記事なんか、バラエティ番組の企画そのものですし。
 

『この夏、話題の激辛コンビニ食を楽しむ!!』

 
こういったゆるい(とあえて言いましょう)も、けっこうなアクセス数を稼いでいます。
一方で。メルマガ『和泉通信』では、以下のような、自社宣伝バリバリの記事も配信、アクセス数を集めています。
 

『鮮度保持エアセル ~和泉の新たな挑戦~』

 
実は当初、私はこのようなゆるい記事をメルマガ『和泉通信』で配信することには、否定的でした。ですが、やってみてびっくり、これらの記事は、どれも高いアクセス数を叩き出しています。
一方で、自社宣伝記事も、しっかりとアクセス数を稼いでいます。メルマガからの開封率も、高い数値で常に推移しています。
 
例えば、私のもとに、「うちでもオウンドメディアをやってみたいんだけど…」と相談される企業は、ほぼ間違いなく、自社の宣伝と業界ネタを求めます。運送会社の場合であれば、運送ビジネスをテーマにした記事の執筆を求めるケースがほとんどです。
 
 
ですが、これには2つ課題があります。
まずひとつは、「業界の人が、企業のオウンドメディアに業界ネタを求めるかどうか?」という課題です。
 
考えてみてください。
例えば、運送業界の方であれば、複数の業界紙を購読し、複数の業界Webメディア、複数の業界メルマガを閲覧しているケースも多いはずです。
企業が行うオウンドメディアでは、質、量とも、専門メディアにはかないません。
今さら、オウンドメディアから、業界情報を得たいと思いますか?
 
もうひとつの課題は、ネタ切れです。
『秋元通信』の場合、月二回配信し、計4つの記事(※枕文も含めると、計6つのトピック)をお届けしています。これを、すべて物流ネタにするのは無理です。専門メディアのように、常に情報を収集のためのアンテナを張っていないと、継続はできません。
 
 
オウンドメディアには、ある意味、専門メディアにはない自由度があります。専門メディアの真似をするのはもったいないです。
自ら先入観に基づいた判断を行い、オウンドメディアの可能性を狭めるようなことは、避けるべきです。
 
 
 

売り物がなければ、SEOを求めることは不可能。

 
オウンドメディアを考える動機として、SEO(検索エンジン最適化)を考えるのは正当です。ですが、SEO向上に固執してしまうと、とんでもない勘違いをしてしまいます。
 
Web制作会社に在籍していた頃、私はこのような相談を受けたことがあります。
 
「『輸入』というキーワードで、SEO対策を施したWebサイトを作って欲しい」
 
いやいや、ちょっと待ってください。
あまりに、ざっくりとしすぎているでしょう?
 
その会社は、地方の乙仲でした。
「だったらせめて、『通関」とか、『乙仲』をターゲットキーワードにしたらどうですか?」、尋ねる私に、担当者はこう言いました。
 
「いや、それだと、競合他社が先にヒットしてしまうので、差別化ができないんですよ…」
 
キーワード:輸入の方が、よほど競合は多いです。
SEOありき、もっと言えば、「Webサイトからの問い合わせを増やしたい」という想いが先行し、完全に勘違いをしてしまっています。
 
 
ビジネスの組み立てを考えるのであれば。
まず、競合に対して競争力のある、乙仲さんなりの売り物となるサービスを考えるべきです。
リアルなビジネスであれば、当然そういう順番になります。ところが、リアルビジネスと、Webビジネスの世界が別物であるという、不思議な勘違いをしてしまうから、こういった笑い話にもならない、勘違いをしてしまうわけです。
 
こういう方や企業って、少なくないんですけどね。
 
 
SEOに関するエピソードを挙げたのは、現在のSEOでは、まずコンテンツありきで考える必要があるからです。
コンテンツSEOに関しては、過去の記事もご参照ください
 
『コンテンツSEOを知ろう!【前篇】(IT用語を紐解く)』
 
 
もっとも、売り物になる商品やサービスがあったところで、近接的な情報(※SEO効果を見込むことができる情報)だけを掲載したコンテンツだけで、オウンドメディアを構成することは難しいでしょう。
 
例えば、WMSというテーマで、何本の記事を書けるでしょうか?
10本、それとも20本。もしかしたら、50本くらいは書けるかもしれませんが、100本、200本は難しいでしょう。
 
実際、あるテーマに関し、SEOで上位にヒットするWebサイトを見ていると、テーマそのものに対する解説記事は、10~20本くらいがせいぜいだと、私は肌感覚として感じます。残りは、業界のトピック(A社が新製品を出したとか、B社で新たな事例記事が公開されたとか)でオウンドメディアを埋めているケースがほとんどです。もしくは、更新を諦めているケースですね。
 
コンテンツSEOを狙ってオウンドメディアを考えることは、必ずしも間違いではありません。ですが、オウンドメディアと称し、コンテンツを定期的に更新/公開していくのであれば、まずは毎回コンテンツを読んでくれる愛読者を増やすことを目指すべきではないでしょうか?
 
率直申し上げますけど。
宣伝だけを毎回読まされるのは、読者としてもきついと思いますよ。
 
SEOは、Web戦略としては基本中の基本であり、またとても効果的な手段です。
ただ、SEOだけを目的に、オウンドメディアを考えるのは茨の道だと、私は考えます。
 
 
 

読者を軽視し、自社への利益誘導だけを考えるオウンドメディアは継続できない。

 
最後にもうひとつ、オウンドメディアを行う上で、とても大切なことを書いておきましょう。
 
オウンドメディアというものは、基本的に、自社への利益誘導手段のひとつとして行われるものです。これは、当社も変わりません。
ただ(繰り返しになりますが)、自社の利益だけを追求し、宣伝ばかりを読まされるのは、読者としても辛いです。
 
そのためにもまず、読み物としての完成度が、「これならば読み続けてもOKだな」という品質をクリアしていること。
そして、これはとても大切なことですが、読者の皆さまの顔を想像しながら書かれていること。
 
開封率とかアクセス数とか、自社の都合ばかりを考えたオウンドメディアは、読者にも伝わります。そもそも、利益誘導だけを考えていたら、オウンドメディアを続ける方も疲弊してしまい、続かないです。
 
 
過去の『秋元通信』をアーカイブしたブログは、現在90ページに及びます。1ページにつき、だいたい5記事が掲載されていますので、単純計算で450あまりの記事をお届けしてきたことになります。
 
ここまで続けることができたのは、読者の皆さまがいらっしゃったからです。
読者の皆さまからのお褒めの言葉が、この蓄積へとつながったのです。
 
この場を借りて、あらためて感謝申し上げます。
ありがとうございました。
 
オウンドメディアの実施を検討している方、もしくはオウンドメディアを運営しているものの、壁にぶつかっている方は、読者の存在を、今一度思い出してください。
 
 
私どもも、継続して『秋元通信』をご購読いただけるよう、心を込めて、記事をお届けします。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
 
 
 


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