政府は、2024年5月に公布された改正物流関連2法について、2025年2月18日、省令と告示を発表しました。
この内容、物流に関わるすべての人にとっては、とても重要です。
前回に引き続き、メルマガ「秋元通信」では、秋元通信流に噛み砕いてお届けします。
本発表では、5つの資料が発表されています。
後編となる本稿では、今回公布された4つ省令について、独断と偏見で内容を取捨選択し、ポイントをしぼってご紹介します。
- 荷待ち時間について
荷待ち時間は、集荷・配達先にトラックドライバーが到着してから、荷役などを開始するまでの時間のうち、荷主らの都合によって待機させられた場合の時間を指す。
開始時刻については、以下のいずれかの時刻になります。
- 指定時刻より早く到着した場合
荷物の受け渡し時刻または時間帯が事前に決まっている場合、その指定された時刻。
運転者が指示された荷物の受け渡し時刻または時間帯がある場合、その指示された時刻。
- 到着後すぐに受付などをした場合
前項に該当しない場合で、到着後すぐに受付など行った場合は、その行為を行った時刻。
- 荷役等の時間について
ここでいう荷役等とは、荷物の積み卸ろし作業の他に、検品、棚入れ、ラベルの貼り付け、代金の取立てなどが含まれます。
荷役等時間は、開始から終了までの時間を指します。
また荷役時間短縮のため、物流施設の搬出入場所を拡張・確保し、マニュアルを整備し、適切な人員を配置し、検品効率化のため機器を導入し、一貫パレチゼーションにも協力しなければならない(ただし有償)としています。
- 物流改善のための基本スタンス
- そのための方策としては、混載・共同輸送・帰り荷の推進に加え、配車システム導入により配車の効率化と最適化を行い、あるいはより大型のトラックを導入することで、1運行あたりの輸送重量を増加させること。
- あるいは、共同輸送に必要な運賃設定、パレタイズに加え、テールゲートリフター装着車の導入、荷役作業の生産性向上と省力化を図るべく、物流施設の整備を行うこと。
- さらに、物流情報の標準化を進めるために、国、消費者、関係事業者等、取引先等に対し、「貨物自動車運送事業者等」は協力を求めること。
2024年5月に公布された新物効法に続き、(ざっくりと申し上げれば)物流効率化を実現するために、ドライバーの安全を担保した上で、積載効率を向上させるための取り組みを、計画的かつ効率的に実施することを原則にしなければならないしています。
以上を挙げています。
- 倉庫事業者が扱うバース予約システムについて
倉庫事業者は、バース予約システムを導入し、適切に運行することで待機を発生させないようコントロールしなければならないとしています。
ただしこれはバース予約システムの導入を義務化するものではなく、他方法で代用できるのであればOKとの幅をもたせた表現になっています。
- 荷主が取り組むべきこと
「開発・生産・流通・販売・調達・在庫管理その他」の連携を図り、物流改善に取り組むべきと定めています。
また、発注のリードタイムに余裕を設けること、入出庫が重ならないよう時間帯を分散させることなども定めています。
- その他
標準パレットがT11型(縦横1.1m)であること。
以上、4つの省令をざっとまとめました。
以下、私見です。
今春施行される貨物事業法、物効法の内容は、主として運送事業者を縛る内容です。荷主側に取り組みを求める特定事業主、CLO選任、中長期的な計画、1運行2時間以内ルールなどは、来春施行の物効法に含まれます。
つまり、運送事業者に対する義務(※努力義務を含む)が先行し、荷主への施策は後出しとなるわけですが、今回の省令・公布も、「まずは運送事業者ががんばりなさいよ!」という内容が多いように感じてしまいます。
言うまでもなく、取引上下位に位置する運送事業者に、運送ビジネス全体を再デザインする力は乏しく、ましてやサプライチェーン全体を改善する力もありません。
今回の省令、あるいは政府が推し進める物流革新政策は、運送事業者をことさら疲弊させてしまうかもしれないと、筆者は懸念します。
荷主や元請事業者が行うべきことも、1年先行して運送事業者に義務化すること。
この影響は、決して小さくはないでしょう。
興味がある方、より正確な内容を知りたい方は、ぜひ前述のリンク先をたどり、省令原文をご確認ください。






