秋元通信

日本オープンイノベーション大賞がおもしろい!

  • 2026.2.27

2026年2月9日、「第8回 日本オープンイノベーション大賞」が発表されました。
 
この賞は、「日本の未来を担うイノベーション創出の加速を目指す」として、毎年発表されています。
これ、なかなか興味深い取り組みです。
 
今年は15のプロジェクトが受賞したのですが、この中から、秋元通信の独断と偏見で「おもしろい!」と感じたプロジェクトを紹介しましょう。
 
 
 

「スカブター」って何だ??

 
「ドラゴンボール」で登場するスカウターならぬ、「スカブター」が開発されました。
 
これはメガネ型デバイス「スカブター」によって、養豚されている豚の体重を測定するというもの。
 
従来であれば、養豚農家では体重100kgを超える豚を一頭ずつ、体重計に載せなければ出荷等の作業に支障が出ていたそうですが、この体重測定という労苦を「スカブター」で軽減した取り組みです。
 
 
 

ミノムシ由来の新たな繊維素材「MINOLON」

 
蜘蛛の糸を人工的に再現し、従来よりもはるかに強度の高い繊維は既に商品化されていますが、これはミノムシの糸を使った繊維「MINOLON」です。
 
「MINOLON」は既にテニスラケットとして商品化されており、世界ランキング上位14%(200選手中28人)の選手が使用しているそうです(※2025年7月実績)。
 
 
 

京大発「100人論文」で、専門家同士のコミュニケーションを加速

 
これは新たなグループワーキングの手法ですね。
 
「100人論文」は、「分野不問」かつ「無記名制」で100人分の研究ポスターを発表するイベントです。しかも、ポスターはわざわざデザインを統一し、画像一枚と文章しか掲載できないようにテンプレート化しているとのこと。
 
従来の研究発表では、専門分野・職位・所属組織名が先入観となり、本音の対話の阻害や、対話機会の損失につながっていたそうですが、それはそうでしょうね。
 
筆者も、例えば展示会に行ったときは、物流ジャンル以外の展示は見ないですし。
 
この取り組みによって、共同研究などが増えているそうです。
 
 
 

物流分野では、共同輸送プロジェクトが受賞

 
日本オープンイノベーション大賞の「国土交通大臣賞」は、「共同輸送データベースの普及による持続可能な物流~フィジカルインターネットの実現」プロジェクトが受賞しました。
 
これは、運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)の分科会で取り組まれたプロジェクトです。動態管理プラットフォーム(traevo Platform)をベースに共同輸送のマッチングシステムを創り上げ、「各30〜40%の積載効率と燃費向上、CO2排出量、拘束時間削減効果 30~40%減」という成果を上げたとのこと。
 
 
 

受賞プロジェクトの要約

 
詳細な情報は、ぜひ以下のWebサイトからご確認ください。
https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/prize/2025.html
 
受賞プロジェクトの要約も紹介しましょう。
興味がある方はご覧ください。
 

  • 内閣総理大臣賞:マウスピース型人工喉頭「Voice Retriever」の開発
    喉頭がんなどで声を失った方向けに、口の動きだけで発声できるマウスピース型のデバイスを開発しました。装着初日から会話が可能になる画期的な取組です 。
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  • 科学技術政策担当大臣賞:手術支援デバイス「ヴァスガイド」の開発
    ロボット手術において、医師の触覚に頼らず安全に血管をテープで固定するためのデバイスを開発しました。手術の安全性向上と合併症リスクの低減に寄与しています 。
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  • 総務大臣賞:洋上データセンターの構築
    データセンターを洋上に建設することで、電力消費の増大や建設コストの問題、脱炭素化を同時に解決し、災害にも強いインフラの実現を目指すプロジェクトです 。
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  • 文部科学大臣賞:双方向循環型産学共創モデル(広島大学)
    大学の研究室と地域企業が連携し、技術知と人材が循環する仕組みを構築しました。共同研究を通じて、地域産業の競争力強化と人材育成を同時に進めています 。
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  • 厚生労働大臣賞:歯周病治療器「ブルーラジカル P-01」とアプリ「ペリミル」
    世界初のラジカル殺菌技術を用いた歯周病治療器と、患者のブラッシング習慣を支えるアプリを開発しました。「治療」と「予防」をセットで提供する新しいアプローチです。
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  • 農林水産大臣賞:非接触型体重推定デバイス「スカブター」
    AIと3Dカメラを搭載したメガネ型デバイスで、豚を見るだけで瞬時に体重を推定できます。重い豚を計量する重労働を大幅に軽減し、養豚業の効率化を実現しました。
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  • 経済産業大臣賞:抗COVID-19薬「エンシトレルビル」の開発
    北海道大学と塩野義製薬の長年の連携により、新型コロナウイルスの治療薬をわずか2年という短期間で開発・社会実装し、国家レベルの危機管理に貢献しました。
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  • 国土交通大臣賞:共同輸送データベースによる持続可能な物流
    複数の荷主が車両を共有して荷物を運ぶ「共同輸送」のマッチングシステムを構築しました。物流の積載効率を高め、トラック不足やCO2削減といった課題を解決します。
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  • 環境大臣賞:フードロス削減と食品端材の再価値化
    吉野家などの外食チェーンで廃棄されていたタマネギの端材を、特殊な機械で乾燥パウダー化し、レシピ開発を通じて再利用する産学官連携の持続可能なモデルです。
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  • スポーツ庁長官賞:ミノムシ由来の強靭繊維「MINOLON」の開発
    ミノムシの糸が持つ非常に高い強度と環境への優しさに着目し、テニスラケットなどのスポーツ用品に応用しました。化石資源に頼らない国産新素材の開発です。
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  • 日本経済団体連合会会長賞:「日立東大ラボ」による社会提言
    大学と企業が対等な立場でエネルギー問題などの社会課題を議論し、信頼性の高いエビデンスに基づいてビジョンを社会へ発信する、新しい産学連携のモデルを確立しました。
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  • 日本学術会議会長賞:研究ポスター発表「100人論文」
    分野や名前を伏せて研究内容のみを掲示し、対話を促すユニークな発表形式です。専門の垣根を越えたマッチングを生み出し、多くの大学や組織に広がっています。
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  • 選考委員会特別賞(3件)
    • 「リバイオ」等の社会実装
      特殊な微生物で水を浄化する技術を開発し、能登半島地震の被災地などで活躍するトイレカーや手洗い装置を実用化しました。
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    • 民間プロ人材の「副業先生」モデル
      高専が民間のIT専門家を副業教員として登用する仕組みを作り、最新のデジタル教育を学生に提供して、人材不足の解消を目指しています。
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    • 寒冷地スマート農業モデル
      AI除草ロボットや発芽を制御する種子コーティング技術を開発し、厳しい環境下の北海道・オホーツク地域でスマート農業を推進しています。

     

 
 
 

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