秋元通信

「荷待ち・荷役等時間が約3時間から約2時間へと減少」国土交通省による最新報告

  • 2026.7.28

2026年7月10日、国土交通省は、荷待ち・荷役時間に関する最新調査を発表しました。

https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu02_hh_000084.html

今回は、2025年4月~8月の間に、運送会社1,032社を対象に調査を行っています。
過去の調査結果とともにご紹介しましょう。


「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果」(国土交通省、2026年7月10日)より

2020年度調査と2024年度調査では、「荷待ち・荷役時間が1分しか減少していない!!」と話題になりました。(3時間19分から3時間18分へ)
拘束時間は、12時間26分から11時間46分へと減ったのですが、大きく貢献したのは運転時間の減少でした。

この結果から、2024年度調査時点では「運送会社はドライバーの長時間労働に是正するための努力を行っているものの、一方で荷主や元請けが積極的に長時間労働是正に取り組んでいない」と考察されます。
荷待ち時間と荷役時間は、荷主らの協力がないとななかなか減らせません。そのうえ、荷役時間については5分増えていましたから。


対して、2024年度調査と2025年度調査では、大幅に長時間労働が是正されています。

  • 平均拘束時間は、11時間46分から10時間13分へと1時間33分も減少
  • 荷待ち・荷役時間・付帯作業時間の合計は、3時間18分から2時間2分へと1時間16分も減少
  • 荷待ち時間の減少幅も28分と大きいが、荷役時間は46分と、より大きく減少している

良いことですね!




さらに考察すると…

2025年6月1日、標準貨物自動車運送約款が改正され、突発的な荷役作業等が発生した場合でも、トラック運送事業者がその対価(料金)を請求できる旨が明記されました。

この改正が、多少なりとも荷待ち・荷役等時間の抑制に効果を発揮した可能性がありますが、どちらかと言えば、物流業界内での「荷待ち・荷役時間=悪いこと」という意識の高まりのほうが影響が大きいと筆者は考察しています。

荷待ち・荷役等時間が減ったことそのものは歓迎すべきです。しかし、このようにその原因が明確に分かっていないことは懸念材料でしょう。というのも、本質的な改善が行われているかどうかが不明だからです。(偶然の産物である可能性であり、再現性がない可能性も否定できませんから)


またこの調査は、運送会社を対象にしたものであることには注意しなければなりません。
同様の調査を荷主や元請けに対して行った場合、荷待ち・荷役等時間の減少幅はさらに大きくなる可能性があります。
なぜならば、荷主が物流効率化法や関連ガイドラインで計測すべきは、「荷主側の理由によって生じた時間」のみが対象とされているからです。

たとえば、バース予約受付システムによって、「バース予約時間が朝9:00」だったケースを考えます。
この場合、もしトラックが8時40分に現地到着し、9時ちょうどに受付し、バースに着車したとしたら、運送会社が記録する荷待ち時間は20分、一方で荷主が記録する荷待ち時間は0分になってしまいます。

こういった運用上・法令上の抜け道が存在する以上、荷待ち・荷役等時間の削減は、ある段階でストップし、本質的な改善効果(トラック輸送リソースの改善)はいずれ頭打ちになる可能性があります。
バース予約においては「予約時間」ではなく、「予約時間帯」(※「9:00~9:30」のように予約時間に幅をもたせること)の考え方を普及させないと、トラック輸送においては現実的な運用ができないと思うのですが。これは議論がずれてしまうので、これ以上、言及しないでおきましょう。

またそもそもの話として、1年前の調査結果が今頃発表されるというのも遅すぎます。


これから物流革新政策の効果測定レポートが次々と発表されていくことでしょう。
ただし、こういったレポートは、調査方法や切り取り方によって、本質と乖離していく可能性が否定できません。

メルマガ「秋元通信」では、このような課題も分析したうえで、これからも随時効果測定レポートをご紹介していきます。

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