こんにちは。
もう今年も残りあと僅か。2015年もすぐそこまで迫っています。
今回のメイン記事は、「大黒柱を失った運送会社」をお届けいたします。
■ 今号のメニュー ■
1.大黒柱を失った運送会社
2.運送関連ニュース
3.「トラック運送業界の景況感(全日本トラック協会)」から
4.弊社有明倉庫 空きスペース情報
■ 大黒柱を失った運送会社 ..。..。..。..。..。..。..。
今回は、不幸な事故によって会社の大黒柱たる人材を失ったふたつの運送会社のお話です。
ひとつ目の会社の話。
その会社は、車両台数20台ほどの、土木建築資材の運送を生業としています。
会社の大黒柱は、配車マンを兼ねる常務。社長も絶対的な信頼をおく、まさに右腕でした。
ところが、この常務が急病で他界されてしまいます。悲しみを冷めやらぬなか、常務を失った業務の舵取りに大苦戦を強いられる社長。平素より、配車はもちろん、請求関係、ドライバーの勤務管理、車両点検等、常務に頼りっぱなしだったからです。常務がいないと、協力会社への連絡先すらわからない。支払いが遅れ、取引先から怒鳴りつけられる。
結局、荷主にも協力会社にも、そして自社のドライバーたちにも頭を下げ、約三ヶ月間通常の半分以下の車両稼働で業務を遂行。その間に会社の体制をなんとか立て直したそうです。
この間、もっとも苦しめられた業務は、配車だったそうです。配送内容の性質上、待機時間も多く、従って拘束時間も長くなる同社のドライバーたち。そのドライバーをまとめていたのは、常務の配車の腕と、そして人柄でした。後任として古参のドライバーを配車マンに抜擢しますが、配車業務のいろはも知らず、大黒柱の他界で動揺するドライバーたちをまとめられるわけがありません。仲間だったはずのドライバーからはいつしか陰口をたたかれるようになり、元ドライバー/現新人配車マンの彼は、ストレスに押しつぶされ、ある日、涙ながらにドライバーに戻してくれるように頼んできたそうです。
結局、その会社では、運送会社での勤務経験のない、もちろん配車などしたこともない、システム業界あがりの人材を雇用し、配車マンに据えたそうです。経路探索ソフトなどを活用し、ある意味色目のない配車を組ませることで、動揺が続いていたドライバーたちを抑えた格好ですね。
ふたつ目の会社の話です。
その会社では、創業者である社長を急病で失いました。不幸は続きます。跡を継いだ長男も、先代社長の他界からわずか三ヶ月後、交通事故で他界されたそうです。
残されたお母様(先代社長の奥様)、そして娘さん二人は、当初会社を清算する方向で検討されましたが、周囲の後押しもあり、お母様を会長、長女が社長、次女が役員に就任し、会社を存続させることにします。
それまで、社長に就任した長女、次女とも、家業の運送にはまったく関わっていなかったとのこと。おふたりとも、一般の会社に勤め、お子様が生まれてからは専業主婦として暮らされていたそうです。
その新社長が、一番とまどったのが、「運送業界の常識=世間の非常識」、つまり意識のギャップだったそうです。
口約束で仕事を請け負う。そのくせ、気に入らない仕事だと平然と断る配車マン。
頼まれれば、例え赤字でもクルマを走らせる。いや、そもそもコスト計算がきちんと行われていないため、運賃の妥当性がわからない現状。
当初はお父様ご健在の頃から番頭であった配車マンの自由にさせていた新社長ですが、利益の出ない仕事を続ける彼を放任するわけにはいかず、配車に意見するようになったそうです。ところが、運送の素人と新社長をなめてかかる彼は意見を聞き入れません。
結局、番頭たる彼と、彼を慕う一部の古参ドライバーたちには会社を辞めてもらい、新たな人を雇いいれることで、会社は安定したそうです。
「今は経営コンサルタントも入れて、会社は小さいなりにも利益体質へと生まれ変わることができました。息子が来年大学を卒業し、知り合いの運送会社に修行に出ることになっています。彼に社長を譲るその日まで、私は頑張ろうと思います」
ずいぶんとしんどい想いを重ねていらっしゃったことと思うのですが。
そのように語る、母でもある社長からは、強さとたくましさと、そして何よりも未来を見据える強い意志を感じました。
このふたつの例に共通すること。
それは新しい血と方法論を取り込むことで、窮地を脱した点でしょうか。
おそらくは、古いやり方やしがらみにこだわっていたら、どちらの会社もさらなる苦境に陥っていたことと思います。運送業界の古いやり方に疑問を感じ、見直すことで、どちらの会社も進化をとげることができました。
そのきっかけとなった出来事はとてもとても大きな不幸ではありましたが、その不幸を不幸のままに終わらせなかったことが、ここに登場していただいたお二人の社長の偉大さかと思います。
※本記事は、情報ソース保護のため、話の主旨を損なわない範囲で内容に変更を加えています。
■ 運送関連ニュース ..。..。..。..。..。..。..。
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「物流ウィークリー」から、運送関連ニュースを
ピックアップしてご案内いたします。
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◇地方の若手を確保 ドライバー面接会場設け
◇できない理由より、できる方法を
◇「予測された時間待ち」高速出口の危険渋滞 深夜時間帯割引
◇トラック使用年数伸びる 資金準備に悪戦苦闘
※記事本文は物流ウィークリーWebサイトをご覧ください。
■ 「トラック運送業界の景況感(全日本トラック協会)」から ..。..。..。..。..。..。..。
「トラック運送業界の景況感(速報)」の2014年7月~9月期版が、全日本トラック協会Webサイトにて公開されています。
http://www.jta.or.jp/chosa/keikyo/keikyo.html
「トラック運送業界においては、消費税増税後の輸送量減少が継続しているなど事業環境は厳しく、トラック運送業界の景況感の判断指数は▲34.7となり、前回(▲30.8)から僅かに悪化した。景況感の判断指数は、いずれの規模においても低下しているが、大規模事業者の下げ幅は6.9ポイントとやや大きい。
今後は、(中略)業界の景況感の判断指標は、今回から1.0ポイント悪化の▲35.7が見込まれている。」
※レポート頭文から抜粋
7月~9月期の状況について、前期との比較をまとめると以下のようになります。
・一般貨物
輸送数量:悪化
売上:やや悪化
利益:やや改善
・宅配便
輸送数量:悪化
売上:悪化
利益:悪化
・宅配以外の特積み
輸送数量:悪化
売上:やや改善
利益:やや改善
・運賃水準:やや改善
・実働率:やや悪化
・雇用状況:不足感が強いが、採用状況はやや改善傾向
一方、「求荷求車情報ネットワーク「WebKIT」成約運賃指数」2014年10月期のレポートも公開されています。
http://www.jta.or.jp/kit/kit_release/kit_release.html
同レポートでは、運賃指数は過去2番目の高水準をマーク、荷物情報(求車情報)も右肩上がりを続ける反面、成約率が低迷しており、車両不足の常態化が一層進んでいるとまとめられています。
ふたつのレポートは、データソースも解析方法も異なり、なによりもレポートの本質が異なるため、単純比較できるものではありません。しかしながら、運送業界が景気回復とは程遠い状況にあることは、間違いないものと思われます。
■ 弊社有明倉庫 空きスペース情報 ..。..。..。..。..。..。..。
弊社有明倉庫に、100~200坪の空きスペースがございます。
同倉庫の情報は以下をご確認ください。
https://drive.google.com/file/d/0ByDWE_nG_RGgMWpBWFNoeGZRejg/view?usp=sharing
ご興味のある方、お問い合わせお待ちいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。