秋元通信

休日には、20代の半数が引きこもる!?、全国都市交通特性調査から診る、日本人の引きこもり傾向

  • 2022.6.16

「20代男女の約半数が、休日は一度も外出することなく、家に引きこもって過ごしている」──この調査結果、皆さまはどう思いますか?
 
確かに、当社の若手社員に休日の過ごし方を聞くと、ゲーム、マンガ、動画視聴など、「家で過ごしている」という答えが返ってくることも多いです。
 
全国都市交通特性調査(旧全国都市パーソントリップ調査)は、国土交通省が国民全体の外出・移動にフォーカスし、5年に一度行われる調査です。
最新調査は2021年に実施されましたが、調査結果はまだ公表されていません。今回は、調査結果が公表されている最新版である、2015年の調査結果から、外出の頻度に注目しましょう。
 
 
 

引きこもり傾向が進む日本人?

 
まず、全体的なデータをご紹介します。
 

  • 外出率
    平日:80.9%  休日:59.9%

 
「5人に1人は、平日に外出しない」「5人に2人は、休日に外出しない」ということになります。あくまで、調査対象日でのことであって、365日まったく外出しないというわけではありませんが。
 
外出率は、年々下がっています。
1987年には、平日外出率:86.3%、休日外出率:69.5%でした。平日の低下率は5.4ポイントですが、休日の低下率は、なんと9.6ポイントです。
 
下がっているのは、外出率だけではありません。
移動回数も下がっています。移動回数とは、外出の目的を指します。例えば、出勤後、帰宅前に買い物に行く場合には、出勤、買い物でそれぞれ2カウントと数えます。
 
1987年に、平日:2.63回、休日:2.14回だった移動回数は、2015年には、平日:2.17回、休日:1.68回に低下しています。
 
 
 

何を目的に外出するのか?

 
外出目的で一番多いのは、平日は通勤(0.34回)、休日は買い物(0.36回)です。
外出目的の中で、以前と比べて大きく減っているのは、以下の二つです。
 

  • 平日の業務目的移動 (1987年0.33回→2015年0.14回)
  • 休日の買い物以外の私用外出 (1987年0.71回→2015年0.48回)

 
秋元通信でも、過去に何度か「営業が客先に行かない(行こうとしない)」という課題を取り上げたことがありましたが、実際に統計結果として現れているんですね。
また、休日における「買い物以外の私用外出」の減り方は、すごく大きいです。なんと、1987年に比べて32%減少していることになります。
「買い物以外の私用外出」とは、「食事等」「観光等」「送迎」「通院」が含まれますが、減っているのは、「食事等」(1987年0.23回→2015年0.19回)「観光等」(1987年0.18回→2015年0.10回)です。
 
遊びに行かないんですね!?
ちょっと驚きの結果です。
 
 
 

外出しない20代。よりアクティブになる60代&70代。

 
年齢による移動回数を診ると、さらに驚きます。
年代別で、もっとも移動回数が低いのが、20代です。平日:1.96回、休日:1.43回となっています。5歳~9歳、10代ではそれなりに移動しているので、これは社会人になると移動回数(≒外出頻度)が減るものと考えられます。
特に20代男性においては、かつてよりも休日の移動回数が減る傾向が見受けられます。
 
平日にもっとも外出回数が多いのは、5歳~9歳と50代で、ともに2.37回です。
休日だと、50代の1.97回がもっとも多くなっています。
 
一方で、移動回数が年々増えているのが、60代と70代のシニア世代です。
若者が引きこもり、対してシニア世代がよりアクティブになっているというのは、良くない傾向の気がします。
ちなみに、同様の調査を行っているアメリカ、イギリスと比較すると、若者の移動回数が減っているのは、同じだそうです。ただし、アメリカ、イギリスでは、シニア世代の外出も減少傾向にあります。
 
 
 

性別や就業形態などによる外出傾向の違い

 
男女差も診ましょう。
若干ではありますが、女性の方が男性よりも、平日、休日とも移動回数が少なくなっています。男性の場合、通勤・業務目的の移動が多く、女性は買い物・送迎目的の移動が多い傾向があります。
 
諸外国に比べ、日本は女性の就業率が低いことが課題とされていますが、この課題が反映された結果かもしれません。
 
また、「正規」「非正規」「非就業」と就業形態を分けてフィルタリングすると、男女ともに、「非就業」の移動回数が少なくなっています。(「正規」「非正規」の違いは少ないです)
「非就業」の場合、買い物、食事、観光での移動回数が低い傾向があるというのは…、なんだか考えさせられますね。
 
他にも、
 

  • 自動車免許を持っていない人のほうが、移動回数が少ない。
  • 自動車を保有していない人のほうが、移動回数が少ない。
  • シニア世代では、男性の方が移動回数が多い。75歳以上の女性における外出率は4割未満で、3日に1日しか外出していない。

 
こういう統計調査結果を診ると、いろいろと考えさせられます。
購買力がそれなりにあるはずの20代の外出回数が少ないということは、toC(個人向け)の製品やサービスを提供しているメーカーのマーケティングに大きく影響します。
 
また、自動車免許の有無、自動車保有の有無が外出回数に影響するのであれば、今日交通機関が充実していない地方部におけるマーケティングに影響します。
 
この全国都市交通特性調査、なかなか興味深いです。
次回は、自動車、電車などの交通機関にフォーカスして、調査結果をご報告しましょう。
 
 
 

出典

 

 
 
 


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