2016年7月14日、三回目となる情報交流会を開催いたしました。
今回参加してくださったのは、50名弱、30社以上の方々。試行を重ね、手探りで育ててきた情報交流会ですが、皆様のおかげで、過去最大規模で開催することができました。
その様子をレポートいたしましょう。
今回のテーマは、「物流業界と『女性活用』」。
人不足が叫ばれて久しい物流業界ですが、女性のチカラを借りることで、物流業界の人不足問題に解決のヒントを見出すことができるかもしれない。
そんな疑問提起から、情報交流会の前半はセミナー形式で始まりました。
社会全体では、男性の就業者数が減少傾向にある一方で、女性の就業者数は増加しています。
一方で、全産業における女性就業者割合は4割を超えていますが、物流業界における女性就業者の割合は2割を下回っています。
物流業界における女性比率が、せめて他産業並みになれば、物流業界の人不足など一気に解消してしまう可能性があるわけです。
今回は、働く女性に対しあらかじめ取材を行い、セミナー中にインタビュー動画をお見せする試みも行いました。
一人目は、スポーツクラブに勤務していた女性。
同期の出世頭であり、支店長まで出世しつつも、出産を機に退職。8年後復職した後は、子育てを優先しフリーランスのスタジオインストラクターとして活躍することを選んだ彼女が、仕事と家庭について持つバランス感覚は、興味深いものがあります。
二人目は、昭和倉庫様において、同社初の女性配車マンとなった女性。
トラックドライバーとして14年間働き、配車マンにステップアップした彼女が、会社に対して抱いている熱い思いを語っています。
三人目は、約20年間トラックドライバーとして働き続けるも、事務職への転身を試みた女性。
結局彼女は再びトラックドライバーへと戻ります。「女性」ドライバーという、特別視する周囲の目に対し、ずっと違和感を感じてきた彼女が語る、『男性の目線で見る、女性活用という考え方自体が、どうしても男目線だと感じる』という言葉には重みがありました。
情報交流会の後半では、みっつのグループに分かれ、女性活用をテーマにディスカッションを行いました。
- 女性を採用したいとは思っている。しかし実際には募集をかけても女性が応募してこない。
- インタビューにあったような、時短勤務や育休などの家庭を持つ女性が働きやすいような環境を、中小企業が用意することは現実的には難しいことも多い。
このように女性活用以前に女性を採用することの難しさを話してくださった参加者がいらっしゃった一方で、実際に女性が活躍している会社では、女性特有の細やかさに感謝する声が挙がりました。
- 個人宅宅配を行う物流センターで、女性が所長になった途端、誤配がなくなった。
- 女性ドライバーに、事務職や配車もやってもらっている。普通の事務職よりもトラブルに詳しいので、とても良い仕事をしてくれる。
- フォークマンを女性に変えたところ、評判が良くなった。
女性活用を進める上で考慮しなければならない時短勤務や育児休暇について、「人のローテーションができるから、かえって都合が良い」という意見も出ました。逆転の発想であり、ヒントと感じた方も多かったのではないでしょうか。
一方で、女性/男性ということではなく、個人の資質が重要だという意見も多数ありました。
「男性も女性も仕事上では同じではあるが、一方で女性が直面する問題(筋力の差や育児との両立など)について、十分な考慮をすべきではないか」という意見には、多くの方がうなづいていらっしゃいました。
情報交流会は、学びの場であり、気づきの場であると同時に、出会いの場としても活用していただきたいと、わたくしどもは考えております。
情報交流会のご案内をするとき、懇親会へのご参加もお勧めするのは、出会いの場としてもお役に立ちたちというわたくしどもの想いから所以するものです。ただし、懇親会だけしかお話しする機会がないと、参加者皆さまがお互い同士をよく知ることが難しいこともあります。
情報交流会において、セミナー・パートだけではなく、ディスカッション・パートを設ける理由は、意見交換を行うことで、参加者がお互いに「あの人はどういう考え方の持ち主なんだろう?」と知る機会を増やすことを目的としています。
今後の情報交流会でも、セミナーに加えてディスカッション・パートを可能な限り設けていきたいと考えております。
次回の情報交流会は、11月に開催する予定です。
テーマ等は現在検討中ですが、ぜひ次回も多くの皆さまのご参加を頂戴できれば幸いです。