秋元通信

鈴木清が振り返る2018年 「『時代は物流』、だが…!?」

  • 2018.12.27
秋元運輸倉庫常務 鈴木清

2018年も残りわずかとなった。
配車担当者は、年末のクルマ確保が年々厳しくなってきていると嘆いている。製造業においては、労働時間のコンプライアンスや働き方改革の一環として、休みが大型化していく傾向にあるようだが、そのしわ寄せは私ども物流業が被っているように感じている。荷物の平準化は実現されず、それどころか月初や連休前に配送依頼が集中する悪いパターンが出来上がりつつある。
 
2018年の「今年の漢字」は、「災」と発表された。
残念ながら、私もそう思う。2018年は、さまざまな自然災害が日本を襲い、日本全国の物流網に壊滅的被害をもたらした。
2月には、北陸を記録的大雪が襲い、クルマや列車は数日間足止めを余儀なくされた。
6月には大阪北部地震が、7月には西日本豪雨が発生し、取引先の同業からも「大型トラックが冠水した」など、多くの嘆きの声が聞こえてきた。
9月には北海道胆振東部地震があり、そして21号、24号といった、これまでに類を見ない大型台風が西日本を襲い、大阪港湾地帯を始めとする、私どもの仲間の倉庫やトラックに更なる被害をもたらした。
これら被害は、私ども中小の物流事業者にとっては、致命的なものになる可能性があることを今回痛感した。
実際、JR貨物山陽線における長期にわたる寸断は、JR貨物に巨額の損害を与えている。モーダルシフトの担い手として期待されているJR貨物は、自然災害に対する脆弱さを露見させてしまった。
 
「モノが運べない」
 
自然災害は、図らずも物流の重要性を社会に再認識させた。
 
 
 
「時代は物流なんだ」
 
自然災害による物流危機が注目されるにつれ、あらためて感じたことだ。
物流は、これからも欠かすことができない社会インフラである。そして、その重要性はますます高まっていることは確実だ。
 
 
先日、当社インターンシップに参加してくれた高校生と話していて、驚いたことがある。
彼らの口から、Amazon=世界規模の物流業者という言葉が発せられたことだ。
 
ついにここまで来たか…
Amazonの凄みは、ラストワンマイル物流における差別化が、お客様に対する最大のサービスになりうると予見し、そして実現したことにある。そして、この凄みは、これから社会に飛び立とうとする高校生たちにも、既に認識されているのだ。
 
 
私が折に触れて話している言葉がある。
 
「物流はなくならないが、物流業はどうなるかわからない!?」
 
ECサイトの急激な成長は、日本全体における貨物構成を変えてしまったのではないだろうか。
新しく開発された物流センターにおいて、契約者の多くはECビジネスを展開しており、またそのほとんどを自社物流している。倉庫内作業においては、無人化、省人化がとてつもないスピードで進んでいる。
 
 
当社では、2017年から「連携・協働化」を合言葉として同業他社と連携を強化してきた。
アルケミートレードとイーカーゴ、ふたつの子会社は徐々に効力を発揮して新たな連携も生まれている。
今年は、情報の共有化をさらに推し進めるべく、「あきもと営業情報メルマガ」を開始した。これは、秋元通信読者の皆さまに対しお届けする、案件情報に特化した当社としてはふたつ目のメールマガジンである。
たくさんの方から多くの反響、お褒めのお言葉を頂戴し、予想以上の広がりと可能性に驚いている。
 
 
労働力不足は、物流業界にとってはとても大きな問題であり、業界全体で取り組むべき共通の問題である。
私どもも実態を把握しながら、できるところから改善を始めている。
 
女性やシニアの活用による人材の多様化。
作業の見える化(デジタコやWMS、IT活用)による、「むり、むだ、むら」の削減。
作業の標準化も進めている。これは、ノウハウや経験の有無といった、人材のハードルを下げることで外部人材の活用を拡大する効果を持つ。
 
 
当社では2015年に続き、先日1000坪の増床も行った。当社における物流不動産事業は、2019年大きく飛躍しそうな勢いを感じている。
物流不動産という新たなエッセンスを加えることで、旧来の物流事業における枠組みでは、どこか行き詰まり感のあった人材育成とビジネスモデルを創造していくつもりだ。
 
 
私は、数年前から「物流のエヴァンジェリスト」を自称している。
エヴァンジェリストとは伝道師のこと。これまで40年余り、私を育み守ってくれてきた物流業界への恩返しとして、物流業界のイメージアップと向上のために貢献したいという私の想いが、「物流のエヴァンジェリスト」という言葉には詰まっている。
 
この一年間、秋元通信をご購読いただいた読者の皆さま、当社と当社グループを関わってくださったすべて皆さまに、この場を借りて、感謝を申し上げたい。
 
今後とも、皆さまよろしくお願い申し上げます。
 
 
 


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