メルマガ『秋元通信』、2024年最初の記事は、秋元通信流にピックアップした、2023年の物流3大ニュースをお届けします。
もちろん、これが筆頭でしょう。
Google検索における検索数の推移を確認できるGoogleトレンドを見ると、「物流の2024年問題」に対する検索数が、昨年大きくアップしていることが分かります。過去5年間の検索数推移では、2022年頃から「物流の2024年問題」の検索数が大幅に増えていることが分かります。
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ただしここに来て、「物流の2024年問題」の切り札として岸田内閣が手掛けてきた「物流革新」政策も、雲行きが怪しくなってきました。
例えば、2023年中に予定されていた「標準的な運賃」の見直しについても、まだ発表されていません。
これ、自民党安倍派がやらかした裏金問題の余波なのでしょうか??
どちらにせよ、「物流革新」政策が滞ることなど許されません。
どうなるんでしょうね??
「物流の2024年問題」はもちろん、原油高、人件費アップなどの影響を受け、物流コストは上がっています。
昨年(2023年)は、3万2395品目が値上げされたと言います(帝国データバンクより)。
そして、値上げ理由として挙げられているのが、人件費や原材料費などの高騰とともに、物流コストのアップですが。
一方で、中小企業庁が2023年9月に行った「価格交渉状況の業種別ランキング」(価格交渉に応じた業種)では、トラック運送は、28業種中、27位と下位に甘んじています。
にもかかわらず、「小売り企業の業績が好調だ。2023年9~11月期は主要79社のうち、6割強の企業で営業利益が前年同期に比べて増えた」という報道もあります。
「値上げ、小売り潤す 23年9~11月営業益はコロナ後最高」という日経新聞の報道では、「一部で客足の伸び悩みや商品の購入点数の減少が発生しているが、それ以上に値上げ効果が大きく、小売り各社の売り上げ増につながっている」と分析しています。
こういう報道を見ると、「『物流コストが上がっている』と顧客には言いながら、肝心の物流企業に対しては還元を行っていない荷主が多いんじゃないの??」と勘ぐってしまいます。
物流業界にも、ようやく脱炭素の兆しが見え始めました。
- EVトラックやFCV(燃料電池自動車)トラックを開発、発表するトラックメーカー
- 共同輸送などの運送効率化を行う動機として、脱炭素をうたう荷主の登場
- 最新物流施設における、太陽光発電装置などの自然由来エネルギーへの転換
物流ビジネスにおいて、脱炭素の取り組みが遅れていた原因は、大きく2つあると筆者は考えています。
1つは、そもそも炭素排出量の測定が難しいこと。
特に中小企業が大半を占める運送業界において、「ウチの輸送において、どれだけ二酸化炭素を排出しているか、教えてよ」なんて荷主に言われても、対応できない運送会社がほとんどでしょう。
また、特にメーカーにおいては、物流プロセスにおける二酸化炭素排出量よりも、製造プロセス、あるいはリサイクル・廃棄プロセスにおける二酸化炭素排出量のほうが、はるかに頭が痛い問題であったため、注目されにくかったこともあるでしょう。
脱炭素の潮流が加速していけば、運送会社、あるいは倉庫会社などの物流事業者にとっては、事務処理業務が増えることになります。人海戦術に頼らず、早めに炭素排出量測定ソリューションなどを用いて、早めに省人化に取り組んでおかないと、後々痛い目にあいそうです。
他にも注目すべきニュースはいくつもあります。
例えば、今まで事実上野放図状態であった軽貨物自動車運送事業者に対し、いよいよ政府が状況把握とコンプライアンス整備に乗り出したことは、2024年、注視していく必要があるでしょう。
以上、秋元通信流に選んだ2024年の物流3大ニュースをお届けしました。
皆さまの記憶に残る2024年の物流トピックはありましたか。
2024年はどんな一年になるのでしょうね。
悲劇とともに始まった2024年。願わくは、明るいニュースの多い一年となって欲しいです。