秋元通信

共同作業から、「協働」作業へ。クラウド型オフィスアプリケーションがもたらす働き方の変化

  • 2019.11.28

 
 
今や、PCを利用していない会社は、ほぼ存在していないのではないでしょうか。
そして、ほとんどの会社は、Microsoft Office を導入し、Excel や Word などを利用していることでしょう。
 
当社でも、Microsoft Officeを各々のPCにインストールし、ExcelやWord、PowerPointなどを利用していますが、同時にG Suiteも利用しています。
 
G Suiteとは、Googleが提供するOfficeツールであり、グループウェアになります。
大きな特徴は、すべてがブラウザ上で利用可能な、クラウド型オフィスアプリケーションであることです。
 
今回は、当社のG Suite利用事例をご紹介しつつ、なぜ今、G Suiteのようなクラウド型オフィスアプリケーションが求められるのか、その理由を考えましょう。
 
 

ファイルを共同編集するという課題

 
当社では、路線便追跡という作業を行っています。
当社から、路線便を利用して発送した荷物に対し、配達店への着荷状況、配達状況、荷物の破損の有無などを、配達店に架電し、確認しています。
 
路線便追跡作業のため、当社では、路線便で出荷した荷物(荷主、商品名、配達先の住所等)の一覧を、Excelファイルで作成、毎日更新していました。このExcelファイル(路線便追跡ファイル)は、社内ネットワーク上に設けた共有サーバに置き、複数の担当者が、路線便追跡ファイルを確認しながら、架電したり、状況を確認していました。
 
路線便追跡では、複数人で同時に架電する必要が発生することがあります。出荷量が多い時は、ひとりでは電話しきれないからです。
ところが、肝心の路線便追跡ファイルが、複数人同時作業に向いていない、という課題を抱えていました。Excelを複数の人が編集したときに発生する、フリーズや共有違反等の問題に悩まされていたのです。
 
G Suiteは、これらの課題を解決してくれました。
G Suite版のExcel、Googleスプレッドシートは、同時編集をすることを前提に設計されています。スプレッドシートに、複数の人が同時にアクセスすると、例えば「田中さんは、A23のセルを編集中だけど、佐藤さんはD45セルを閲覧中で…」というふうに、ファイルを誰が閲覧し、もしくは編集中なのかが、一目瞭然で分かります。
フリーズすることもありません。
 
もっと言えば、社内ネットワークにアクセスできないような、お客様先や、出先のカフェからでも、社内のファイルを自由に閲覧することができるようになったのです。
 
 

作る→レビュー→会議、という旧来型のビジネスワークフロー

 
例えば、誰かが提案書を作成します。「誰か」というのは、複数ではなくひとりです。
その提案書を、直属の上司がレビューします。レビュー結果を提案書に反映し、またレビューする…、という行程を何度か繰り返し、そして上司のOKが出た時点で、提案書は会議にかけられます。関係者を一同に集めてレビューが行われて、再び提案書は修正されます。
 
このビジネスワークフローでは、ドキュメント(提案書)は常に、ひとりの手で更新されます。また、このビジネスワークフローは、大原則として直線的に構成されます。いわば、リレーのバトンパスのような、直線的なビジネスワークフローです。
 
 
当社の路線便追跡作業の場合、同時に複数人が同じ作業をします。
ビジネスワークフローを考えると、並行作業が行われていることになります。
 
このような、並行的なビジネスワークフローは、GoogleがG Suiteをデモンストレーションするときに必ず登場するシーンです。
 
例えば、提案書を複数の人が、同時に作成します。Aさんは2ページを担当、Bさんは3ページから7ページを担当、Cさんが8ページ以降を担当する、といった具合です。
G Suiteでは、作業をしながらチャットを行うことができます。つまり同時にすり合わせも行うことができるわけです。
 
 
旧来型の、直線的ビジネスワークフローの場合、すり合わせと称し、たびたび会議が行われます。
後述した、並行型ビジネスワークフローの場合は、原則として会議が必要ありません。なぜならば、作業と同時にすり合わせが行われるため、会議が不要になるからです。
 
 

クラウド型オフィスアプリケーションだからこそ、アウトソーシングが効率的になる

 
当社の行ってきた路線便追跡作業を、実は現在アウトソーシングするチャレンジを行っています。

  1. 当社にて、路線便追跡ファイルを作成する。
  2. アウトソーシング先にて、路線便追跡ファイルを確認しながら、架電を行う。架電結果は、ファイルに随時反映する。
  3. 当社では、リアルタイムにアウトソーシング先の作業状況を確認しながら、必要に応じてアドバイスや指示を行う。

もちろん、アウトソーシング先と当社の事務所は異なった場所にあります。
必要事項の連絡は、チャットによって行います。
また、路線便追跡作業では、配達店に折り返しをお願いすることがあります。折り返し先は、アウトソーシング先ではなく、当社事務所を指定しています。架電した人(=アウトソーシング先)と、異なる人(=当社社員)が受電しても、ビジネスワークフローがつながるのは、路線便追跡ファイルをリアルタイムかつ並行的に、情報共有しているからです。
 
 

リモートワークは、仕事を効率化する?

 
働き方改革によって、短時間でより効率よく働くことが求められています。
 
これはかんたんではないですよ….
 
ここに挙げたような、直線的ビジネスワークフローから、並行型ビジネスワークフローへの変革は、この難しい課題を解く、ヒントになるのではないでしょうか。
 
 
先日、すべての社員がリモートワーカーという会社を取材する機会がありました。
その会社には、事務所がありません。社員は全国各地に住んでいて、リモートワークで働いています。にも関わらず、同社は、高い生産性を誇っています。
 
理由はいくつかあります。
例えば、同社では、無駄な会議が行われていません。
言葉ではなく、作業を共有しているから、すり合わせのための会議は必要ないわけです。
そして、お互いに顔を合わせていないにもかかわらず、驚くほど情報が共有されています。これも、並行的に仕事を行っている結果と言えるでしょう。
 
この例をもって、「リモートワークは、仕事を効率化する」と断じるのは短絡的ですが(実際、リモートワークの普及によって、生産性が落ちた職場もありますので)。ただし、リモートワークが、旧来型の働き方における、無駄なものを削ぎ落とす可能性があることは確かです。
 
 
「共同」とは、共に同じことをする意味です。
対して、「協働」とは、協力して働くことを意味します。
 
直線的ビジネスワークフローを「共同」作業とするのであれば、並行的ビジネスワークフローは「協働」作業と言えるでしょう。
 
言うは易し、行うは難し…
 
「共同」を「協働」に変えるのは、かんたんではありませんし、すべての業務で実現できるわけでもありません。
ただ、G Suiteや、(今回は説明しませんでしたが)Microsoft Office 365のような、クラウド型オフィスアプリケーションは、「協働」作業を行いやすくするツールのひとつであることは、確かでしょう。
 
興味のある方は、ご検討されていはいかがでしょうか。


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