先日6月28日、国土交通省は、「官民物流標準化懇談会 パレット標準化推進分科会 」の最終とりまとめを発表しました。
その内容を、秋元通信流に3分で読めるようにかんたん解説しましょう!
パレット利用の現状
- パレットの利用率:72%
- うち、保管用パレットでそのまま出荷しているケース:54%
- 残りの46%は、パレット積み替え、バラ積みなどが発生
- レンタルパレットの使用率は32%
- パレット回収については、荷主による自社単独実施が過半数で、回収ロットは数枚から20枚程度の少量が約4割
パレット標準化の目的
- 保管・発送・着地での荷卸まで、積み替えすることなく輸送する一貫パレチゼーションの推進
- 標準規格パレットの推進
- より効率的なパレット流通(回収を含む)スキームの構築
標準仕様パレット
いわゆるT11型パレット
- サイズ 1100mm×1100mm
- 高さ 144~150mm
- 最大積載量 1t
- タグ・バーコードが装着可能な設計であること
(将来的には、タグ・バーコードの装着を目指す) - 「二方差し」または「四方差し」
今後のロードマップ
2025年6月に、標準的な規格と運用を整理し、効率的な一貫パレチゼーションを目指す。
2030年度にはレンタルパレット事業者間の「共同プラットフォーム」の社会実装を実現する。
- 荷主
2025年度中に、パレット仕分け・回収作業の主体の明確化
- 運送事業者・倉庫事業者
2025年度中に、標準仕様パレットの推進および荷主への積極的な提案を行う
- レンタルパレット事業者・パレット製造事業者
2025年度中に、標準仕様パレットの周知協力を行う
また発荷主は、継続して標準仕様パレットにマッチした荷姿の検討を実施する。
運用について
- レンタル方式の推進
一貫パレチゼーションを目指し、複数のレンタルパレット事業者の連携を図るための「共同プラットフォーム」を構築、パレットの共同配送・管理システムの構築などを目指す。 - パレットの仕分け・回収における費用分担
荷主と買主の売買契約、あるいはレンタルパレット事業者とのレンタル契約において、レットの仕分け・回収作業の主体や費用負担を明記する。
2030年度のパレット標準化に向けたKPI
- パレット生産数量に占める11型パレットの割合を、現状26%→50%以上へ
- レンタルパレット保有数量に占める11型パレットの割合を、現状76%→85%以上へ
- レンタルパレット保有数量を現状2,650万枚→5,000万枚以上へ
- レンタル事業者間で共同回収を行う拠点数を、現状42箇所→400箇所以上へ
- 荷役作業に係る時間を、現状一人当たり年間375時間→一人当たり年間315時間以下へ
その他
標準仕様パレットの導入が、以下理由で困難な場合は、将来的に標準仕様パレットの利用を期待する。
- 家電、化学品、金属製品、穀物など、大型製品を扱うケース
- 劇物・毒物など、専用パレットを要するケース
- 酒・飲料など、業界内でのパレット標準化が進んでいるケース
以上、いかがでしょうか。
パレット標準化への取り組みについては、先日改正された物流関連2法にある、「特定事業者に対する中長期的な計画」策定にも、盛り込む必要がありそうです。
追加情報があれば、またご紹介しましょう!