秋元通信

あきもと自動配車システム導入記

  • 2019.10.25

先日、当社では協力会社様のご参加をいただき、安全会議を実施しました。
 
当日は、三田警察署様の安全講習に続き、筆者が自動配車システムについてお話しいたしました。実は当社、1年ほど前より、株式会社パスコの自動配車システム『LogiSTAR』(ロジスター)を導入・活用しています。
 
今回は、秋元運輸倉庫が自動配車システムを導入した経緯にフォーカスして、ご紹介しましょう。
 

※画像はクリックで拡大します。

 
 

自動配車システムとは?

 
自動配車システムとは、運送会社には欠かせない、配車業務を文字通り「自動的に」行ってくれるシステムを指します。
 

配車の三要素

配車の三要素

01
 
配車には、大きく3つの要素があります。
「(ドライバー)のシフト」、「積み合わせ」、「ルート」の3つです。
自動配車システムは、この3要素をシステムが計算し、最適な配車を組み上げてくれるものです。
 
とは言え、3要素の重要度は運送会社によって異なります。
店舗配送などのミルクランを行う運送会社や、24時間3交代制で配送を行う運送会社の場合、「シフト」の重要性が高まります。
対して、混載を主業務とする会社の場合は「積み合わせ」が重要になりますし、スポット配送メインの配送では「ルート」が重要になるでしょう。
 
同じように、世に数ある配車システムにも、それぞれ得手不得手があります。
 
 
突然ですが、プローブ情報をご存知でしょうか?
プローブ情報とは、位置情報、走行情報、交通情報、天候情報など、道路を走行する車両から得られる情報全般を指す言葉です。
蓄積されたプローブ情報は、例えば、道路の渋滞情報予測に利用されます。過去の渋滞情報などをベースに、「3日後の水曜日、16時から17時の港区芝浦地区の道路混雑状況は?」といった具合に活用されるわけです。
 
 
当社が『LogiSTAR』を選択したのは、メーカーであるパスコ社が、測量から始まった会社であり、現在もプローブ情報に強みを持つため、配車3要素のうち、「ルート」の自動計算機能に期待してからです。
 
 

なぜ、秋元運輸倉庫は、自動配車システムを導入したのか?

 
『LogiSTAR』の導入をした芝浦営業所には、(当たり前ですが)奥山、原ら配車マンがいます。
現状、配車業務に大きな問題を抱えているわけではありません。にもかかわらず、なぜ、自動配車システムを導入したのでしょうか?
 
 
ポイントは、「属人化」、「共有」、「生産性向上」にあります。
 
他の多くの運送会社同様、当社においても配車業務は、人が行っています。
結論じみたことを先に言ってしまえば、いくら自動配車システムを導入しても、人の手から配車業務が離れることはありません。自動配車システムが優秀だとしても、人の手を離れた完全自動配車システムは限りなく難しいでしょう。
 
にも関わらず、自動配車システムを導入したのは、属人化の要素を減らし、配車業務の形式知化・標準化を行いたかったためです。
 
例えば、配車マンも人間ですから、病気や怪我など体調不良で急遽休むケースもあるでしょう。その際に、配車業務のレベルが著しく下がることは、会社としては避けなければなりません。実際、過去インフルエンザが流行ったときには、配車マンが全員病欠し、配車業務に支障をきたした運送会社があると聞いています。
かと言って、当社の状況では、これ以上、配車マンを育成、人数を増やすことも困難です。
 
自動配車システムがあれば、完璧な配車ではないかもしれませんが、少なくとも配車業務が完全にストップすることはありません。
 
「属人化」によって業務に支障をきたすことを避けたい。
これが、理由のひとつです。
 
 
もうひとつは、「共有」と「生産性向上」です。
奥山にしても、原にしても、本当はもっといろいろな仕事をして欲しいわけです。
ところが、配車業務(その関連業務を含む)には手間がかかります。
 
一例を挙げましょう。
当社では、明日の配車を組んだ後、ドライバー一人ひとりに電話連絡をしています。
当社の場合、前日積みをするため、その段取りの必要性もありますが、これを一斉連絡できるようになれば、配車マンの業務負担は大きく軽減します。
 
当社芝浦営業所には、配車結果を閲覧できる大きなディスプレイを設置しています。
ドライバーのみならず、事務所スタッフ全員が、配車を確認することが容易なのです。
 
 

自動配車システムプラスアルファの目論み

 
当社では今冬、トラック用の『Navitime』(ナビタイム)を導入します。
TV CMでもおなじみの、スマホアプリ型カーナビシステム『Navitime』のトラック版ですね。
 
『LogiSTAR』で組んだ配車を『Navitime』に送信します。
当社のドライバーたちは、スマホで自分自身の配車を確認することができるわけです。
 
当然ですが、『Navitime』をカーナビとして利用することもできます。
トラック用の『Navitime』では、大型、4tなど、車格に応じた道を案内してくれるだけでなく、全国のタクシーや路線バス等の運行予測にも利用されている優れたプローブ情報があります。
 
ドライバー個人の経験や知識をはるか超えた情報が提供されることによって、走行ルートの効率化などが期待できるわけです。
 
 
さらに。
当社では、AI-OCR+RPAの組み合わせで、Faxで受領する配送依頼を自動的に基幹システムに取り込む試みにも挑戦中です。
 
AI-OCR+RPAとは、従来のOCR機能よりも優れた文字認識能力を備えたOCRと、その結果をロボット(RPA)によって基幹システム等の関係するDBにインポートする仕組みです。
 
現在は、当社もFaxによるご依頼は手入力していますが。
AI-OCR+RPAによって、事務員の手間を削減し、さらに自動配車システムそのものの操作も、RPAで自動化する予定です。
 
 

自動配車システム導入に失敗する理由

 
実は、筆者はもともと配車システムの営業兼コンサルタントでした。
その経験を踏まえてお話しすると、世の中には、配車システムを導入したいという会社がたくさんいらっしゃいます。しかし、検討を重ねた結果、多くの会社が、導入を断念しています。
そのハードルを乗り越えて、配車システムを導入したという会社もたくさんいらっしゃいます。しかし、導入はしたものの、うまく活用することができず、宝の持ち腐れとなっている会社も、決して少なくありません。
 
なぜなのでしょう?
 
理由のひとつは、配車システムに完璧を求めるからだと考えられます。
そして、もうひとつは、導入よりも、導入後の運用フェイズにおける試行錯誤のほうが大切であることに気がついていない会社が多いことです。
 
人と同じ配車を、機械が組むことができるわけがありません。
その当たり前のことを、無理して望もうとするから、途中で頓挫するわけです。
 
 
セミナーでは、筆者が実際に出会った、配車システム導入を検討する各社の事例のご紹介など、配車システム全般の課題や、適切な導入手順などをお話ししましたが、本記事では割愛いたします。
 

セミナーでは、自動配車システム導入を検討した会社の事例なども紹介しています。

セミナーでは、自動配車システム導入を検討した会社の事例なども紹介しています。

 
その代わりと言ってはなんですが、最後にひとつ。
 
皆さまは、システムってどんなものだと思っていますか?
勘定系から人事系、生産管理など、あらゆるシステムは、基本的には人の作業を代替することを目的としてきました。
しかし、仕事に限らず、私どもの日常のありとあらゆるところにシステム(機械化/自動化)が普及することによって、システムが存在することによる新たな業務や作業が発生するようになっています。
 
自動化、機械化のために導入したシステムが、新たな仕事を生み出しているわけですから、矛盾していますよね。
システムの普及によって、私どもは、システムとどのように共存するのか?、もっと言えばシステムとどのように作業分担をするべきなのか、再考する必要に迫られているのです。
 
RPAとか、自動配車システムなんて言うのは、その解決策として筆頭的な存在かも知れません。
なにせ、「人との協働化」がないと、成立しないシステムですから。
 
 
当社における配車システムの活用状況については、またいずれご紹介しましょう。
お楽しみに!


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