秋元通信

コンテンツSEOの矛盾、コンテンツSEOは、企業の広告宣伝には使いにくい?

  • 2023.7.24

企業が広告宣伝を行う上で、今やWebは欠かせないメディアとなりました。
そして、Webでの広告宣伝における一丁目一番地といえば、SEOです。
 
SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、「検索エンジン最適化」と和訳されます。
かんたんに言えば、Google、Yahooなどの検索エンジンにおいて、自社の広告宣伝につながるキーワードをなるべく上位に表示させるマーケティング手段のことです。
 
そして、現在SEOの主流として注目されているのが、コンテンツSEOです。これまたかんたんに言えば、記事の内容を工夫することで、SEO上位を獲得しようという手法です。
 
ところが、どうも最近、コンテンツSEOを極めていくと、「広告宣伝がしづらいんだよなぁ…」という状況が発生しているようです。
 
 
 

広告宣伝を記事に盛り込むと、SEO順位が下がる?

 
コンテンツSEOについては、4年前に秋元通信でもお届けしています。
 

 
ただし、今やこれらの記事で書いたやり方や知見が、通じなくなってきている部分もあります。
 
コンテンツSEOの基本的なやり方は、以下のようになります。
 

  1. 自社の宣伝につながるようなキーワードを選ぶ。
  2. 選んだキーワードに対する記事を執筆する。
  3. 記事内では、自社製品・サービスも宣伝しておく。
  4. 結果、課題を抱えた読者が検索エンジンから自社サイトへ流入、自社製品・サービスへ誘導できる。

 
変わってきたのは、上記3.~4.のところです。
 
例を挙げましょう。
「虫歯」でGoogle検索すると、このような結果になります。
 
キーワード「虫歯」、Googleでの検索結果
 
歯医者さんのWebサイトばかりが上位に表示されます。
ただし、それぞれのWebサイトを見ると、虫歯について網羅的な解説、治療方法の解説などは掲載されていますが、直接的な広告宣伝につながる記述をしている記事は、ひとつもありません。
 
 
「人不足」でも検索してみましょう。
 
キーワード「人不足」、Googleでの検索結果
 
本記事執筆時点で、TOPに表示されるのは人材派遣大手パーソルの記事です。
「人材派遣会社だから、『人不足を派遣で補いましょう』的な記事なんでしょう?」と思いきや、内容は、人材不足の原因や、対策を客観的かつ網羅的に解説しています。
対策の中に、「アウトソーシング」は登場しますが、記事中で自社サービスへの誘導や、広告宣伝はまったく行っていません。
 
「広告宣伝色が強い記事(Webページ)は、SEO上位を獲得できない」、最近、特にこのような傾向が強くなっています。
 
 
 

広告宣伝色が強い記事が、SEO上位を取れない理由

 
一言でいえば、「皆さん、広告宣伝って嫌いでしょ?」ということなのですが。補足しましょう。
 
Googleにしても、Yahoo!にしても、ターゲットとしているのは、「Web検索を使う人」です。お金を払ってくれるのは、有料広告を出す広告主(企業)なのですが、その広告主がターゲットにしているのが「Web検索を使う人」である以上、GoogleやYahoo!、あるいはMicrosoftといった検索システムを提供する企業は、「Web検索を使う人」が「使いたくなる検索システム」を目指し、システムを日々ブラッシュアップしています。
 
「Web検索を使う人」が求めるのは、ストレスのない情報検索です。
求める情報に対し、より純粋に、より正確に、解説してくれるコンテンツが求められています。
 
ここに広告宣伝の要素が加わると、「Web検索を使う人」の中には、「邪魔だなぁ」と感じる人も少なくありません。
 
もちろん、競合が少ない検索キーワードにおいては、コンテンツ中に広告宣伝の要素を入れても、記事はSEO上位に表示されます。ただし、競合が多い検索キーワードに対しては、より純粋に、より正確に、検索キーワードに対する解説を行う記事がSEO上位に位置し、広告宣伝等の雑味を含む記事は、どうしてもSEOでは不利になる(下位に表示される)傾向が、最近より顕著になってきました。
 
 
 

では、コンテンツSEOは、広告宣伝には無意味なのか?

 
繰り返しますが、最近の傾向では、SEO上位に上がるコンテンツは、総じて広告宣伝の要素がない記事ばかりです。せいぜいが、コンテンツの最後に、自社製品やサービスへのリンクを表示しておくくらいですね。
 
「これじゃあ、コンテンツSEOなんて意味がないじゃないか!?」
 
そう思う企業のマーケティング担当者や広告宣伝担当者もいるかもしれません。
 
ただ、こういう方は大切なことを忘れています。
「Web検索を使う人」のリテラシーも上がっていることです。
 
SEOで上位に表示されるコンテンツは、「Web検索を使う人」から信用されます。
そのコンテンツがあるのが、企業のWebサイトであれば、当然、その企業も信用されます。
 
Web検索をしたキーワードが、なにか課題解決を求めるような性質のものであり、そしてSEO上位に表示されたコンテンツのオーナーである企業が、その課題解決に役立つ製品・サービスを提供しているのであれば、「Web検索を使う人」も自ずとその企業の製品・サービスへと目が向きます。
 
裏を返せば…
コンテンツにキーワード解説だけでなく、広告宣伝の要素を入れたがるのは、ここに挙げたような「Web検索を使う人」のリテラシーを信じていないからだとも考えられます。
 
乱暴な言い方な言い方をすれば、「大丈夫、もっと読者を信じようよ。皆さん、ちゃんと分かってくれますから」ということでしょうか。
 
もちろん、以前取り上げた行動ターゲティング広告を利用すれば、「一度訪問した読者を、追跡してより直接的な広告宣伝を表示することができるから」と考えている企業もいます。
こういった企業の場合、コンテンツ中で広告宣伝をしなくとも、別の方法で広告宣伝を行えるわけです。
 
 
ネット検索は、もはや私たちの生活には欠かせないものです。
皆さまも、何か欲しいものがあったときに、かなりの頻度でネット検索を行っているのではないですか?
 
だからこそ、自社の製品やサービスに対する情報が、ネット上にたくさん取り上げられていれば(掲載されていれば)、それは信用につながり、そして信用は購買につながります。
 
次回は、ネット上で自社製品・サービスの露出を増やすために不可欠なパブリシティについて解説します。
 
 
 


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