秋元通信

「飛行機通勤OK!?」、話題のYahoo! JAPAN人事制度を考える

  • 2022.1.27

ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)が発表した新たな人事制度が、話題を集めています。
 
ヤフー、通勤手段の制限を緩和し、居住地を全国に拡大できるなど、 社員一人ひとりのニーズにあわせて働く場所や環境を選択できる 人事制度「どこでもオフィス」を拡充
 
Yahoo! JAPANは、これまでもユニークなオフィスづくりで話題になってきました。
既にYahoo! JAPANでは、特定の席を持たないフリーアドレス制のオフィスを実現していました。「実験オフィス」は、その取り組みをさらに進めたものです。
 
例えば、「1人でとにかく集中したい!」というときのために利用する「集中フロア」。
例えば、「リアルコミュニケーションに特化した」コミュニケーションフロア。
 
Yahoo! JAPANでは、それぞれの仕事能力を最大化できるようなオフィスレイアウトの工夫がなされています。
 
Yahoo! JAPANのリリース記事には、「実験オフィス」の実際の写真が掲載されています。
本社のある紀尾井町の街を一望できるソファー席は憧れますね。
ぜひ私も、こういったオフィスで働いてみたいです。
 
「新しい働き方」に対応できるオフィスとは? ヤフーの「実験オフィス」
 
 
 
 

Yahoo! JAPAN 「どこでもオフィス」とは?

 
Yahoo! JAPANでは、これまでも柔軟な働き方を実現してきました。
今回のリリースでは、さらにその範囲を拡大しています。
 

  1. 居住地の選択肢を拡大
    これまでの「出社指示があった際に午前11時までに出社できる範囲」という居住地の制限を撤廃。
  2.  

  3. 通勤手段の制限を撤廃
    これまでの「電車や新幹線、バス」のみであった通勤手段について、特急や飛行機、高速バスによる出社も可能に。
  4.  

  5. 交通費の片道上限を撤廃
    これまでの「片道6,500円、月額15万円」という片道上限を撤廃。

 
その他、柔軟な働き方を後押しするための手当の増額、業務用PCとは別にタブレットの貸与、懇親会費の補助支給などを発表しています。
 
飛行機通勤ですか…!?
リリース内容から考えると、初島(静岡県熱海市)に居住するのは、船しか交通手段がないのでNGだけど、伊豆大島(東京都大島町)は飛行機がある(※調布飛行場から出発)のでOKということですね。
 
すごいですよね…
 
 
 

制度の維持は可能なのか?

 
もう20年ほど前のことですが、私の知人は、熱海から東京まで新幹線通勤を行っていました。
もともと彼は、福岡に住んでいました。その頃から、「熱海に住みたい」と希望していた彼は、東京本社への転勤を機に、熱海に一軒家を購入、両親とともに移り住み、悠々自適な新幹線通勤を始めました。
 
ところが、親会社の業績悪化に伴い、彼の在籍していた会社は、M&Aされました。新たな親会社のもとでは、新幹線通勤制度は廃止されてしまいました。
 
彼が可能な選択肢は、三つでした。
 

  1. 自費で新幹線通勤を継続する。
  2. 会社を辞めて、熱海から通うことができる範囲で転職先を見つける。
  3. 福岡支店に戻る。

 
結局、彼は福岡に戻ることを選択しました。熱海の自宅は売却することになりましたが、当時50歳を超えていた彼にとって、新たな転職先を見つけることは難しかったですし、新幹線通勤を自腹で行うことは論外でした。
 
Yahoo! JAPANの「どこでもオフィス」という制度は、すごく憧れますが、果たして維持可能なのでしょうか?
業績悪化やM&Aなどにより、ある日突然「全国どこでも居住可能」「飛行機通勤OK」といったはしごを外された人は、絶望するでしょうね。
余計なお世話かもしれませんが。
 
 
 

テレワークありきの発想は、働き方の多様化実現に逆行する

 
それでも、Yahoo! JAPANの「どこでもオフィス」というチャレンジは、称賛に値すると、私は思います。
 

「リモートワークだけに限定した働き方は、もしかしたら自由ではないともいえるかもしれません。柔軟な働き方を可能にするオフィスという選択肢があることで、社員のみなさんがより充実した働き方ができるのではないかと考えています」

 
これは、「実験オフィス」担当者の言葉です。
この言葉は、コロナ禍によって、ことさらテレワークが重視される今だからこそ、金言ではないでしょうか。
 
もともと、在宅勤務やモバイルワーク、テレワークといった働き方は、働き方の多様化を実現するためにあった選択肢でした。決して、オフィス勤務に対するアンチテーゼではありません。
ところが、テレワークが至上のものとされ、オフィス勤務を否定するような現在の風潮は、本来目指すべき働き方の多様化実現から逆行しています。
 
さらに、Yahoo! JAPAN 川邊健太郎社長は、ご自身のTwitterでこのように語っています。
 

「経営サイドとしては、オフィスの求心力は捨てがたいものがあります。(なのでGAFAがオフィス勤務にちょいちょい戻そうとするのかなと推察)
が、社員をオフィスに縛り付けるよりかは、社員のウェルビーイングの向上やそこから生じるやる気や創造性を重視する方向に舵を切りました」

 
上目線での言い方になってしまいますが、とても真っ当で正直な感覚を備えていらっしゃるのではないでしょうか。
ともすれば、こういった取り組みは、「飛行機通勤OK」のような尖った部分だけがフォーカスされ、世間との感覚の乖離が目立つこともあります。
 
しかし、「社員のウェルビーイングの向上やそこから生じるやる気や創造性を重視」という川邊社長の言葉からは、企業として、従業員との正当な関係性を求めた結果としての選択肢であることが、伝わってきます。
 
 
ちなみに、皆さまは飛行機通勤したいですか?
私は嫌ですね…、だって飛行機怖いですから(汗
 
自身がYahoo! JAPANの社員になったつもりで、「私だったら、どこに住むかなぁ?」なんて考えるのも楽しいです。
 
 
 


関連記事

■数値や単位を入力してください。
■変換結果
■数値や単位を入力してください。
■変換結果