こんにちは。
秋元運輸倉庫 常務取締役、そしてイーカーゴ代表取締役の鈴木です
2023年、物流業界は大きな転換期を迎えました。
もちろん、最大の要因は、「物流の2024問題」です。
私にとって、この一年は「物流の2024年問題」への対応を模索する一年でした。皆さまにとっての2023年はいかがでしたか?
2023年、「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスが騒がれ始め、業界メディアのみならず、一般の新聞やテレビなどでもさかんに取り上げられるようになりました。
このような社会情勢の中、中小零細の物流企業は生き残りをかけて協業を模索しています。競争から協業へのシフトが進みました。
さらに中小零細物流企業においては、「M&Aも企業存続の経営手段である」として大きく舵を切りはじめる企業も出てきた一年だったように思います。
物流ビックデータの活用はもとより、「情報の共有」の重要性が高まってきたようにも思います。
「物流の2024年問題」では、倉庫業と運送業の関係が焦点となってきました。
トラックドライバーの労働時間短縮や待遇改善を目指すため、各現場においては実際の拘束時間や荷待ち時間などの実態把握を行うことが求められるようになりつつあります。
「車上渡しを標準とし、自主荷役などはもってのほかである」と政府は運送業界の常識を変革しようとしていますが、これは言い換えれば、ドライバーの労働時間削減のために、倉庫側に負担を求めることでもあります。
人手不足は、ドライバーだけではなく、倉庫作業員も同様なのですが…
これらの改善のため、倉庫側の負担も増えます。
倉庫の役割も大きく変わり、そもそもの倉庫関係のビジネスにおける、さまざまな料金の計算方法も再考が必要な時期にきたのではないでしょうか?
物流クライシスと、これから派生した業界のさまざまな課題に直面しつつも、物流業界はこの一年、協力し合いながら新たな解決策を模索してきました。
物流クライシスは供給チェーンの混乱や停滞などの問題を招きます。
物流業界全体の協力が不可欠と言われながらも、一般の人々は、実は「物流の2024年問題」にあまり関心を持っていないかもしれません。しかしこれからは、日々生活を送る中で、物流の便益を享受していることを否応なしに意識させられるようになり、物流クライシスにも無関心とはいかなくなるでしょう。
「物流の2024年問題」の解決に向けた第一歩である、物流の生産性向上に向けた取り組みは、荷主事業者と物流事業者の間で行われています。
荷待ち時間や荷役作業にかかる時間の把握が効率改善のカギです。運送事業者が荷主に対し、正確な情報を提供し適切な提案を行うことが不可欠であり、生産性の向上を図りつつ。同時に(ドライバーだけではなく)従業員全員への賃金を減らさない仕組みを築くことが求められています。
悩ましいですね。
でも、ここから逃げては物流クライシスの解決は見えてきません。
いよいよ来年は、「物流の2024年問題」のキーポイントである2024年4月1日を迎えます。
私ども物流事業者が、心して迎えなければならない2024年がいよいよやってくるのです。
秋元通信