秋元通信

Web2.0ってなんだったの?、Web3.0を知る前の前哨戦として振り返る

  • 2022.10.31

最近、Web3.0なる言葉が登場、話題になることも多くなってきました。
当初、いきなりWeb3.0を秋元通信流に解説しようかとも思ったのですが、結構Web3.0って難しいんですね。
 
そこで本号では、Web3.0を解説する前に、2004年頃に一世を風靡したWeb2.0について振り返ることにします。
 
 
 

Web2.0とは

 
まず最初に申し上げたいのは、Web2.0というサービスなり技術なりがあったわけではありません。これは、Web3.0に関しても同じですけど。
 
Web2.0は、言わば現象です。
当時注目を集めた(もしくは、「これから注目を集めるであろう」と予想された)サービスや技術を総称し、Web2.0と呼んだわけです。
 
Web2.0に分類された、代表的なサービスや技術を紹介しましょう。
 

  • フリーミアム
  • ロングテール
  • CGM(Consumer Generated Media)
  • SNS

 
 
 

フリーミアム

 
フリーミアム(freemium)とは、「free(無料)」と「premium(割増料金)」を組み合わせた造語です。
当時、無料で利用できるWebサービス(例えばGmailやYahoo!メールなどの無料メールサービス。無料で利用できるオンラインゲームなど)が多数登場しました。
フリーミアムでは、5%の課金ユーザーから得られる売上によって、残り95%の無料ユーザーのサービスを維持することができる、というビジネスモデルでした。
 
もっとも、これが失敗したことは、皆さまもご存知かもしれません。
すべてのWebサービスは、継続的にアップデートし続けることを強いられます。「無料で遊べる」をうたうオンラインゲームの多くが、フリーミアムモデルに耐えきれず、極端に射幸性の高い「ガチャ」によってユーザーをあおったことは、社会問題化しました。レアアイテムを得たいがために、数万円、中には数百万円もガチャに費やすユーザーも現れたからです。
 
 
 

ロングテール

 
パレートの法則では、組織における売上の8割は2割の優秀な人材が生み出しており、残り8割の凡庸な人は合計しても2割の売上しか稼いでいないという経験則を指摘しています。
これは人材に限ったことではなく、例えばスーパーや家電量販店などの商品販売においても、同様の傾向が見られるとされていました。
 
ところが、ECでは、年間で数個しか売れないような商品の販売実績が積もり積もって、結果として大きな売上を構成することが分かってきました。
リアル店舗では、商品棚という売り場における物理的な制約があります。ECでは、リアル店舗よりもより多くのラインナップを取り揃えることができ、かつより多くの人にアプローチできることから、ニッチな商品についても販売機会を与えることができて、売上につながったのです。
 
 
※パレートの法則については、以前の記事もご参考にしてください。
 ”ぶら下がり社員を考える【後編 / ぶら下がり社員が生まれる理由】
 
 
 

CGM

 
それまでのWebやインターネットの主流だったのは、一方通行の情報流通でした。Webサイトを作り、情報発信する側と、そのWebサイトを閲覧する側は、基本的には別々だったわけです。
 
Web技術の発展と普及によって、特別な知識や技術を持たない人々でも、気軽に文章や写真をWebサイトにアップし、公開することができるようになりました。そして、そのことによって、それまでは読み手だった人々が生み出した投稿が、コンテンツとしての価値を持ち、他の人々から読まれるようになりました。
つまり、情報発信者と閲覧者の境界があいまいになったのです。
こういったWebサイト、もしくはWebメディアをCGM(Consumer Generated Media)と呼びます。
 
ブログサービスの登場は、一般の人々が情報発信をする機会を増やしました。
アメーバブログは2004年、Yahoo!ブログは2005年からサービスが開始されました。
 
食べログ(2005年スタート)のような口コミサイトも、CGMに分類されます。
 
 
 

SNS

 
もはや説明は不要ですね。
SNSも本来はCGM のひとつですが、今の隆盛を見ると、CGM とは別にSNSを挙げるべきでしょう。
 
mixi、Facebookともに、サービスを開始したのは2004年です。
以降、TiwtterやGoogle+など、さまざまなSNSが生まれましたが、mixiはオンラインゲームプラットフォームにビジネスの主軸を変更、Google+はユーザー情報の漏洩問題などもあり、サービスを終了しました。
 
 
 
ブログサービスの台頭は、ブロガーと呼ばれる人々を生み出しました。
SNSの台頭は、インフルエンサーと呼ばれる人々を生み出しました。
 
それまで、世の中に広く、そして強いメッセージを発信できるのは、芸能人、新聞・雑誌・TV・ラジオのキャスターや記者など、限られた人々でした。Web2.0は、発信するコンテンツが優れたものであれば、一般の人々も影響力のある情報発信を可能としました。
 
それまで一方通行だった情報の流れを、多方向・双方向に変えたのは、Web2.0と総称されるこれらのサービスだったのです。
 
Web2.0として、当時もてはやされたサービスの中には、姿を消したものもあります。
当時、Webビジネスの真っ只中にいた私は、「Web2.0なんて、マーケッターやら広告代理店が宣伝材料にすぎないだろう」と片腹痛く感じていました。
しかし、約15年が経過すると、Web2.0の本質は、今や私たちの日常となっています。
 
Web3.0はどうなるんでしょうね?
次回は、Web3.0についてご紹介しましょう。
 
 
 


関連記事

■数値や単位を入力してください。
■変換結果
■数値や単位を入力してください。
■変換結果
  シェア・クロスバナー_300